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【ライターコラムfrom湘南】日々の鍛錬が生んだビッグセーブ…守護神・秋元が意識する「勝ちにつながるプレー」

2017.08.25

湘南の守護神・秋元陽太 [写真]=J.LEAGUE

 0-0のまま迎えた後半アディショナルタイム、アウェイのロアッソ熊本はこの日最大のチャンスを迎えた。湘南ベルマーレの背後を突き、GKとの1対1に持ち込む。スタジアムに歓声と悲鳴が交錯する決定機に、立ちはだかったのはGK秋元陽太だった。

「誠一さん(齋藤誠一GKコーチ)にも必ず1回はピンチが来ると言われていたので、しっかり意識していた」。そう振り返ったように、背番号1は集中力を弛まずシュートを阻み、チームの勝ち点奪取に貢献したのだった。


 試合を通しても危険な場面は限られていた。だが秋元は厳しく冷静に振り返る。

「ああやって最後の最後でピンチを作られたように、ちょっとした隙が生まれてしまったところは反省しなければいけないと思いますし、そういう甘さがこの前は試合中に出てしまった。あそこでやられて勝ち点0というのは一番良くないので、僕自身も含めて反省し、しっかり受け止めて次のザスパクサツ群馬戦に向かわなければいけないと思います」

 開幕から間もなく主将の高山薫がケガで離脱し、後に副将の菊地俊介も続いた。同じく副将を務める秋元は、第18節徳島ヴォルティス戦以降キャプテンマークを引き継いでいる。前節のくだんのシーン然り、あるいは1-0で勝利した前々節のジェフユナイテッド市原・千葉戦然り、ビッグセーブのみならずその存在感は増すばかりだ。

キャプテンマークを巻き、チームを牽引している [写真]=J.LEAGUE

 自覚を口にする。

「僕自身、全然未熟ですけど、ポジション的にも年齢的にも立場的にも、勝つための責任は僕が一番感じなければいけないと思っている。だからこそ後ろからしっかり前にパワーを送れるようにどっしり構え、叱るときは叱り、その中でも自分は冷静でいなければいけない。そうして勝ちに繋がるようなプレーを心掛けています」

 過酷な3連戦を2勝1分けと負けなしで乗り切り、つかの間のオフが明け、また新しい週が始まった。盛夏の日射しが戻るなか、GKもフィールドも、あまねくタフに励んでいる。

 週末を見据え、秋元は言う。

「アウェイの群馬戦はまた厳しい試合だと思っています。この3連戦の戦いに満足した選手はいないと思うし、まずは自分たちのサッカーができるようにいい準備をしなければいけない」

 弛まぬ日常がプレーに宿ると知っている。チームの攻撃的なサッカーを今節も変わらず最後尾で支える。

文=隈元大吾

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