柏はGK中村航輔(右)、中谷進之介(左)を軸に堅守を誇る。直近の9試合中6試合で完封している [写真]=J.LEAGUE PHOTOS
■柏レイソル 天皇杯でハモン・ロペスが加入後初ゴールを記録
【プラス材料】
21日の天皇杯2回戦はブリオベッカ浦安に1-0で勝利。苦戦を強いられながらもハモン・ロペスが加入後初ゴールを決め、リーグ前節の甲府戦でけがから復帰したばかりのユン・ソギョンも90分フル出場を果たすなど、いくつかのプラス材料があった。
何より前節の甲府戦からスタメン全員を入れ替えるターンオーバーで臨み、リーグ戦に出場する選手を温存したなかで3回戦進出という結果を手にできたことは非常に大きい。
また、リーグ戦は甲府と引き分け、9連勝はならなかったものの、敗れたわけではないため、「アウェーで勝ち点1を積み上げられたことは悪い結果ではない」とチームにはポジティブな空気が漂う。中村航輔、中谷進之介、中山雄太を中心に守備は相変わらず安定。リーグ戦は直近の9試合中6試合が完封と、大崩れの気配はない。
【マイナス材料】
クラブ新記録の9連勝はならず、ついに柏の連勝が止まった。ただし、甲府戦の引き分けは、相手の監督がかつて柏を指揮し、多くのアカデミー出身選手を育て上げたなど、柏のことを熟知した吉田達磨監督とあって、チーム・選手の特徴を巧みに消されてしまったのは致し方ない。
だが、今節対戦する札幌は甲府とシステム的にも近いため、柏が攻めあぐねた前節の戦い方をヒントに日立台へ乗り込んでくるならば、苦戦は必至である。しかも札幌とは、5月のルヴァン杯で対戦し、柏はターンオーバーを敷いてメンバーを総入れ替えしたなかではあったが1-2で敗れている。札幌としては、柏に対して悪いイメージを抱いていないだろう。
文:鈴木潤
■北海道コンサドーレ札幌 ヘイスとマセードによる崩しは脅威になり得る
【プラス材料】
やはり大きいのはヘイスの復帰だろう。負傷が癒え、21日に行われた天皇杯のいわきFC戦には120分間出場して2得点。2-5で敗れたものの、存在感を発揮した。高い技術を持ち、前線でボールキープができるだけでなく、そこから質の高いパスを配球できるのも魅力的だ。もちろん、自らフィニッシュもできる。
今季の札幌は都倉賢やジュリーニョが相手DFの背後に走り、そこにボールを預けるだけの攻撃が多くなっていたが、ヘイスが入ることによって攻撃のバリエーションが増え、厚みも増すことは間違いない。先発出場は難しいかもしれないが、均衡した試合のなかでこの選手を投入できれば、試合の主導権を一気に掌握することも可能になる。
また、同じブラジル人のマセードもコンディションを高めており、ヘイスとマセードによる崩しも相手の脅威になり得るはずだ。
【マイナス材料】
勝利から遠ざかっていることがまず一つだ。リーグ戦では現在5連敗。そのうえ、21日の天皇杯ではアマチュアのいわきに2-5で敗れるという情けない結果となってしまった。
この流れで首位の柏と対戦というのは、あまりにも厳しい状況と言わざるを得ない。勝てば流れを劇的に変える可能性もあるが、まずは連敗を止めることを優先的に考える必要があるだろう。
また、柏戦では福森晃斗が累積警告により出場停止となる。プレースキックで相手ゴールを脅かしたり、正確なフィードで攻撃の起点となれるこの選手の欠場は、攻守両面でマイナスになるはず。MFのジュリーニョもコンディションが整っておらず、この試合の出場可否が流動的な状況だ。
文:totoONE編集部