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「ディフェンス好きなので、ずっとディフェンスラインの動きを見ているんです」【Jアイドル/蒼井ちあきさん】

2017.03.31

シジクレイをきっかけにガンバ大阪のファンになったという蒼井ちあきさん

25年目のシーズンを迎えたJリーグはサポーター文化が成熟してきた一方で、ファン・サポーターの年齢層が高くなっているという懸念材料がある。比較的若年層のファン・サポーターが多い日本代表と比べてその年齢層が高めのJリーグだが、もちろん若年層の熱狂的ファン・サポーターは一定層いることも事実だ。そんな“Jリーグ愛”を公言してはばからない女性アイドルにスポットを当てたインタビュー企画が『Jアイドル』。今回はガンバ大阪の熱狂的なサポーターであるサッカー応援アイドル『KICK-OFF』キャプテン・蒼井ちあきさんが登場する。

蒼井ちあき
1997年5月13日生まれ、19歳。岡山県出身。パイク・プランニング所属。サッカー4級審判員。アスリートフードマイスター。サッカー応援アイドル『KICK-OFF』キャプテン。毎週水曜日13時『MCタツのロスタイムTV』レギュラー出演中。
Twitter/@ChiakiAoi
Instagram/a_chiaki513

▼止まらぬ“シジクレイ愛”

――まずは最初のサッカーとの接点について教えてください。


蒼井ちあき:もともとJリーグが好きだった母と兄は、全国各地に試合を観に行くほどのファンでした。当時、岡山にJリーグチームがなかったことと知人がガンバ大阪にいたことをきっかけに母と兄がガンバの試合を見に行くようになりました。その結果、二人ともガンバにハマり、私が5歳の時に初めて万博(万博記念競技場)に連れて行ってもらいました。最初はルールも、どんな選手がいるのか、それすらも分からず、ただただ試合を見ているだけでしたが、応援団の雰囲気が気に入っていつしか私もガンバのことが好きになりました。

2004年にはガンバにシジクレイ選手が移籍してきて、最初はシジクレイ選手という名前も知らずに、「あのヘディングがすごい選手を見に行きたい!」と頼み込んで母と兄に万博へ連れて行ってもらう中で、シジクレイ選手のヘディングに惚れてしまったんです。「シジクレイ選手に会いたい!」「シジクレイ選手のユニフォームが欲しい!」と母や兄に言い続けていましたが、二人はフェルナンジーニョ選手のことが好きだったので、あまり相手にしてもらえませんでした。

その後はシジクレイ選手がガンバを退団し、私も芸能活動を始めて、毎週ダンススクールに通うようになったので、一時期はサッカーから離れていましたが、私が東京に引っ越すことになったのとシジクレイ選手がガンバのコーチとして戻ってきたことをきっかけに再びガンバの試合を見に行くようになりました。

――シジクレイ選手のことを好きになるとは、なかなかの“玄人好み”ですね。

蒼井ちあき:中学生になるとルールも分かるようになりましたし、それまではスタジアムの雰囲気などを楽しんでいたのですが、その頃から私は特にヘディングの強いDFの選手が好きなんだと気付き始めました。その象徴がシジクレイ選手だったのです。そうしたサッカー好きが高じて、私自身サッカーをやったことがなかったので、もっとサッカーを深く知るために4級審判の資格も取りました。その頃からですかね、知識をさらに深めるために試合記録やガンバのスタメン・メンバー表、シュート数などをノートに記録して、細かくチェックするようになったのは。

さらに高校生になると、選手がどういう形で試合に向けてコンディションを上げているのか。またガンバの選手がどういう食事の管理をしているのか。その理解を深めるために、フードマイスターの資格も取りました。

――そこまで蒼井さんを虜にするガンバ大阪の魅力とは?

蒼井ちあき:ガンバは温かいチームです。例えば最近のガンバサポーターは、新規のサポーターが入りやすいように、新しいチャント集が書かれた紙を配布して「一緒に応援しましょう」と呼びかけてくれます。選手はアカデミー出身選手や関西出身の選手も多く、溶け込みやすい雰囲気ですし、現役を引退したあとにコーチとして戻ってくる方も多いです。一度クラブを離れても、戻ってきたくなるクラブであることが私たちサポーターにも伝わってきます。そういうところもガンバを好きな理由です。

――ガンバの試合を見るときの拠点はどこですか?

蒼井ちあき:基本的にゴール裏です。試合がある日は開場時間にスタジアムに入れるように待機列に並んでいます。陣取る席はCBのラインがきれいに見えるように、ゴールネットから見てちょっと右の角度で斜めからピッチが見えるエリアを確保します。試合中はディフェンスラインを見て、飛んで跳ねて声を出しますが、あまりボールを追わないので得点シーンを見逃すこともあります。

――ボールを追わない?

蒼井ちあき:ディフェンス好きなので、ずっとディフェンスラインの動きを見ているんです。例えばガンバのPKやFKのシーンでも後方に残っている選手を見て、「その位置にいてカウンターを受けたら戻って来られる?」とか、しっかりとリスクマネジメントをできているか。「今日のラインコントロールは良いな」とか、そういうことをチェックしています。得点シーンを見逃すこともあるので、家に帰って映像で得点シーンを確認して、「こういう形で点を取っていたのか」と理解を深めています。だから失点シーンは鮮明に覚えているんです。

▼ガンバ戦以外を見る時のルール

――4級審判の資格を持っているとのことでしたが、それによってサッカーの見方が変わったことは何かありますか?

蒼井ちあき:資格を取る前はガンバの選手がファウルを取られると、ブーイングをすることもありましたが、資格を取ったあとは「これはカードが出ても仕方がない」とか、判定に関してのギリギリのラインが分かるようになりました。感情でサッカーを見ていた頃よりは落ち着いてサッカーを見られるようになりましたね。副審の走り方もそれまでは何となく見ていましたが、重心をブラさずに走っているな、この副審の方は旗の持ち方や上げ方に気を使っているんだな、などなど、サッカーの見方の幅が広がりました。

――試合中は飛んだり跳ねたり声を出したり、いろいろなところにアンテナを張ったりと大忙しですね。ところで、ガンバ以外のチームの試合を見に行くこともあるのですか?

蒼井ちあき:ガンバのアカデミー出身選手や元ガンバ所属の選手が在籍しているチームが関東地方でやる試合は見に行きます。ただ私の中で一つルールとして決めていることがあります。ガンバ以外の試合を見るときは、絶対にゴール裏では見ないということ。ゴール裏にいる方たちは本気で好きなチームを応援しているのに、ガンバサポの私がそこに入ることは許されないと思っています。ガンバ以外の試合はバックスタンドの指定席などで見ることが多く、ほかのチームのチャントやサポーターがチャントを歌っている姿を一歩引いた視点で見ています。

――他チームの試合を見に行く基準は、ガンバのアカデミー出身選手や元ガンバ所属の選手がいることなのですね。ところで、蒼さんはサッカーノートをつけていると聞きました。

蒼井ちあき:メモ程度で溜めていたものが最近は表に出ることも多く、やや焦っているのですが、ガンバの全試合の記録を自分なりに見やすようにまとめたものです。試合によって先発メンバーは代わりますし、監督の選手起用の意図を考え始めると、前節と比べてメンバーはどうだったのか。ホームとアウェイでメンバーを代えていることやこの試合は前線が1枚だったのか、2枚だったのか、など体系的に分かるようにまとめています。

あとは主審の警告を出しやすい傾向を調べたり、天候によって左右される観客動員の変化など、いろいろなことを見比べるのが楽しくて、2015シーズンから本格的にガンバの毎試合でノートをつけるようになりました。もちろん、他チームを分析しているページもあります。

郡司 聡(ぐんじ・さとし)
茶髪の30代後半編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクション、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』編集部勤務を経て、現在はフリーの編集者・ライターとして活動中。2015年3月、FC町田ゼルビアを中心としたWebマガジン『町田日和』を立ち上げた。マイフェイバリットチームは、1995年から1996年途中までの“ベンゲル・グランパス”。

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