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【土屋雅史氏のJ2展望】昨季の躍進を支えた中盤のキーマンが復帰…“秋葉効果”発揮で金沢が最下位脱出を狙う

2016.07.15

11日に金沢への復帰が発表されたMF秋葉勝 [写真]=Getty Images

 静岡学園高校から鳴り物入りで柏レイソルに入団したのはまだ20世紀のこと。今シーズンでプロ生活も19シーズン目に突入した南雄太。2014年に自身にとって3つ目のクラブとなる横浜FCへ加入して以降、常にゴールマウスに立ち続けていた彼が、今シーズンはベンチに座ることが多くなっていました。

 開幕から無得点での3連敗を強いられた後、ようやくレノファ山口戦で完封勝利を収めるまでの4試合にはフル出場を果たしていたものの、インフルエンザで欠場した第5節以降は、GK渋谷飛翔がスタメンリストへ名を連ねることに。6戦無敗が続いたチーム状況もあって、なかなか出番が回ってこない日々が続く中、4月中旬には『平成28年熊本地震』が発生します。2012年に熊本を集中豪雨が襲った際に親友の北嶋秀朗(現アルビレックス新潟コーチ)とチャリティーブランド『NSPJ』を立ち上げていた南は、2010年から4シーズンを過ごした熊本が被災したことを受け、その『NSPJ』のTシャツ200枚を始め、歯ブラシや石鹸、マスク、懐中電灯などを支援物資として寄付。自身のブログで熊本への連帯をメッセージとして伝えました。


 そんな南に再びチャンスが巡ってきたのは、チームが7戦未勝利で迎えた第20節の町田ゼルビア戦。昇格プレーオフ圏内につけていた難敵を相手に、52分には絶体絶命のピンチでビッグセーブを披露。最後は10人になったチームを最後尾から盛り立て、久々の白星獲得を自らの両手で手繰り寄せます。これで正守護神に返り咲いた南は、ここ2試合もスタメンフル出場。チームは連敗中ですが、南自身はそれぞれの試合でスーパーセーブを見せるなど、一定以上のパフォーマンスを維持しています。

 今節の相手は、直近3試合で計13失点を喫して3連敗中と少し元気のない14位のロアッソ熊本ですが、南がスタメンに復帰してきたこのタイミングで両者が対戦するあたりに、巡り合わせの不思議な縁を感じます。とは言っても、勝負は勝負ということは当人同士が一番良くわかっているはず。お互いに連敗をストップしたいところですが、ここは誰よりもこの一戦を待ち望んでいるであろう南のファインセーブがチームを救うという予想から、「1」で勝負したいと思います。

 3戦無敗と上昇気流に乗りつつある状況で、3連勝中の3位松本山雅FCとアウェーで激突した“北信越ダービー”は大熱戦。2点を先制されたものの、熊谷アンドリューとメンデスの2ゴールで一時は同点に。最後は終盤に突き放されて2-4で敗れたとはいえ、間違いなく調子が上向いている最下位のツエーゲン金沢。そんな彼らに朗報が舞い込んできました。期限付き移籍での加入だった昨シーズンは完全な主力選手として活躍しながら、今シーズンはFC岐阜への完全移籍を決断した秋葉勝が、再度期限付き移籍によって金沢に帰ってくるというリリースがクラブから発表されたのです。

 シーズン中盤まで昇格プレーオフ圏内に入り続けるなど、J2昇格シーズンとは思えないハイパフォーマンスで強烈なインパクトを与えた2015年の金沢において、セレッソ大阪へ移籍した清原翔平とともにリーグ戦全42試合に出場を果たした秋葉の存在は際立っており、サポーターにとっても今回の復帰劇が大いに歓迎すべきものであることは間違いありません。しかも、今節の対戦相手はその秋葉が、ユース時代も含めると実に16シーズンの時を重ねてきたモンテディオ山形。「こんな巡り合わせがあるのか」と言いたくなるようなシチュエーションが整いました。もちろん、加入したばかりということもあって、いきなりのスタメン出場が約束されているわけではないと思いますが、主力選手の顔触れに大きな変化はないため、比較的スムーズにチームにも溶け込めるはず。残留に向けてのラストピースとして、秋葉に掛かる期待は小さくありません。

 一方の山形も、2連勝で迎えた前節で町田に0-2と敗れたことで、昇格プレーオフ圏内の6位との勝ち点差が9ポイントに開き、アウェイとはいえ負けられない状況。予想が非常に難しい対戦カードですが、ここは登録が間に合って試合に出場するという条件付きながら、“秋葉効果”が発揮されると見て「1」にマークしてみたいと思います!

文=土屋雅史

予想難易度が高いとされるJ2は、toto当せんのカギを握る重要な要素の一つ。国内サッカー事情に精通した土屋雅史氏がJ2を徹底解剖する! サッカーくじtoto予想サイト『totoONE(http://www.totoone.jp/top/)』にて、『今週のJ2(http://www.totoone.jp/j2/)』が好評連載中。
※本文中の「1」はホームチーム勝利、「0」は引き分け、「2」はアウェーチーム勝利。

■明治安田生命J2リーグ第23節
2016年7月16日(土)18時キックオフ
横浜FCvsロアッソ熊本(ニッパツ三ツ沢球技場)

■明治安田生命J2リーグ第22節
2016年7月16日(日)19時キックオフ
ツエーゲン金沢vsモンテディオ山形(石川県西部緑地公園陸上競技場)

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