サッカーゲームキングジャック6月号
2016.02.28

松田さんの偉大な「3番」を背に…愛媛MF玉林が覚悟の新シーズンに挑む

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愛媛FCで今季から背番号「3」を背負う玉林睦実(左) [写真]=青山知雄
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 郷里のクラブで覚悟の背番号変更だ。

 2016明治安田生命J2リーグの開幕戦で清水エスパルスと対戦した愛媛FCは、敵地でしぶとく守り切って0-0で勝ち点1を獲得。昨シーズン、6位に入ってJ1昇格プレーオフ出場を果たした粘り強さで“王国”の名門を存分に苦しめた。

 昨シーズン開幕前に故郷のクラブでもある愛媛に移籍した玉林睦実は、定位置の右サイドでハードな守備を披露。「サイドの選手が裏へ抜けてくるところをケアするように」という木山隆之監督の指示を受け、相手アタッカーを封じた。

 玉林にとっては決意を持っての開幕戦だった。

 昨シーズン終了後、かつてプレーした松本山雅FCへ足を運んだ際に元チームメイトの岩上祐三(現大宮アルディージャ)から「3番、着けないの?」と声を掛けられた。「祐三は冗談で言ったと思うんですけど」と苦笑いを浮かべていたが、その言葉が胸に残っていた。それまで愛媛の3番を背負っていた代健司がレノファ山口へ移籍し、玉林自身も「3番、空いたな」と思っていたという。そこでクラブ側に「3番を着けさせてください」と自ら申し出た。

 2010年に当時JFLだった松本へ移籍した玉林は、サポーターとともに大きく成長するチームをピッチ内外で盛り上げた一人。そして2011年夏に急逝した松田直樹さんとも約半年間にわたって一緒にプレーしている。彼にとっても松田さんの代名詞でもあった「3」は偉大な背番号。その遺志を継いで松本へ移籍し、ケガを抱えながら魂のプレーを見せた田中隼磨が受け継いだナンバーでもある。

「なかなか着けられない番号ですけど、今年は覚悟を持って戦おうと思って自分からお願いしました。昨シーズン以上の成績を出すために、自分にプレッシャーを懸ける意味でも」

 思えば今から約1年前、故郷に戻ることを決めた玉林は「地元のクラブをJ1に昇格させたい。その力になりたい」と話していた。昇格プレーオフ1回戦で敗退した昨シーズン以上の成績、それは即ちJ1昇格に他ならない。今年は「昨シーズンのベースから積み上げられる」と手応えを口にする。松本でともに戦った松田さんと田中隼の姿勢は目に焼き付いている。目標達成に向けて自分にできることはすべてやる――その先にかつてプレーしたJ1の舞台を見据える。

 なお、覚悟を決めて相談した背番号は「即答でした。たぶん1分くらいで決まった」とスムーズに決定したそうだ。笑いながらそんなオチをつけるあたりも玉林らしいが、明るいキャラクターの彼が自ら申し出たことに今シーズンに懸ける思いが感じられた。

 松本時代から慣れ親しんだ「14番」を卒業し、偉大な先人に敬意を込めて「3」を背負った玉林が、故郷に恩返しをするべく大きな目標に向けてピッチを疾走する。

文・写真=青山知雄

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