2016.02.16

磐田、鹿児島ラウンド全勝優勝を果たすも名波監督の表情は険しく

ジュビロ磐田
鹿児島ラウンドを制したジュビロ磐田 ©J.LEAGUE PHOTOS
サッカー総合情報サイト

 新シーズンの到来を告げるJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ。沖縄ラウンド、宮崎ラウンドに続き、2月3日から10日に鹿児島ラウンドが行われた。同ラウンドに参加したのは、明治安田生命J1リーグ昇格を果たしたジュビロ磐田、小林伸二新監督の下でJ2からの巻き返しを図る清水エスパルス、来春の新スタジアム運用開始を視野にJ1昇格を目指すギラヴァンツ北九州、そして新しくJ3参入を果たした地元の鹿児島ユナイテッドFCの4クラブ。それぞれが現時点での完成度を確認し、新シーズン開幕に向けて歩を進めた。

 鹿児島ラウンドを見事3連勝で制したのは、名波浩監督とともに名門復活を期す磐田。「ニューイヤーカップは昨年取れていないタイトルなので、ぜひ取りたい」と語っていた指揮官は、3試合でほぼ全選手を起用しながら無失点での全勝優勝を果たした。清水との“静岡ダービー”では高卒ルーキー小川航基が貴重な決勝点を決めるなど収獲もあったが、大会を振り返った名波監督は「勝てたこと、失点をしなかったこと、勝ちにこだわるという意味では良かったですが、課題はたくさんありすぎて分からない」と厳しい表情。「手応えはありますけど、J1でどこまでやれるかはまだまだ未知数。ただ、J1で戦える戦力は十分にあると思っているので、うまくそこを生かしたい」と自らの采配に言及しつつ、「選手はどんどん使っていきたいので、そのチャンスを逃してほしくない」とピッチ上での奮起を促していた。

 新シーズンは戦いの場をJ2に移すことになってしまった清水は、基本を重要視する小林新監督の指示で、まずは守備面の改善に着手。攻守の切り替えに高い意識を感じさせた。鹿児島ラウンドにおける攻撃面の収獲は白崎凌兵の万能性だろう。主に右MFとFWとしてプレーし、柔らかいテクニックと裏への飛び出しを披露していた。ただし、チームとしては3人目の動きが不足。迫力を欠くシーンが目立ち、指揮官も「ボランチを中心にリズムを変えるプログラムが少ない。自分たちでボランチを使いながらボールを運べるようにしたい」と課題を掲げていた。今回の3試合では中盤や前線における選手の組み合わせを複数試しており、新シーズン開幕に向けて“個の力”の融合と共通認識の向上が求められることになりそうだ。

 地元帰還を果たした元日本代表MF本山雅志の加入が注目された北九州。攻撃面に課題を残して未勝利で大会を終えたものの、キャンプを通じて力を入れてきた守備では明確に結果を出し、3試合でPKとセットプレーによる2失点に抑えた。特に清水との3戦目では柱谷幸一監督が「攻撃面の連携はどんどん良くなってきている。鹿児島ラウンドではやりたいことがある程度はできた」と収獲を得た様子だった。

 そして今ラウンドで注目を集めたのは、おひざ元の鹿児島。記念すべき“お披露目ゲーム”では清水相手に5失点を喫したが、終了間際に反撃弾を決めると第2戦からは守備の立て直しに成功。北九州に1-1のドローに持ち込み、磐田にも0-2と奮闘した。粘り強いディフェンスだけでなく、カウンターからもチャンスを生み出すなど、サポーターの声援にも後押しされて格上相手に善戦。浅野哲也監督は「成果よりも課題のほうが多かった」と反省の弁を口にしたながら、初参戦のJ3リーグ開幕へしっかりと前を見据えていた。

 1月下旬から沖縄、宮崎、鹿児島を舞台に繰り広げられたJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ。それぞれのラウンドでキャンプにおける手応えと課題を確認したJクラブが、さらなる進化を経て運命の開幕戦へと向かう。

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