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“新生”千葉、宮崎ラウンド制覇の秘訣はコミュニケーション力…J1昇格へ好発進

2016.02.10

ニューイヤーカップの宮崎ラウンドを制したジェフユナイテッド千葉 [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 新シーズンの到来を告げるJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ。沖縄ラウンドに続いて1月31日から宮崎ラウンドが開催された。明治安田生命J1リーグからは同ラウンドの連覇を狙う鹿島アントラーズと昇格初年度となるアビスパ福岡、J2からはメンバーを大幅に入れ替えて昇格を目指すジェフユナイテッド千葉、清川浩行新監督の下で上位進出を目論むロアッソ熊本が参加した。

 注目のクラブが集まった宮崎ラウンドを制したのは“新生”千葉だった。熊本、福岡を撃破して迎えた第3戦では、同じく連勝してきた鹿島との“優勝決定戦”に粘り強く勝利。多くのクラブから選手が集まったことで連携面が不安視されていたが、メンバーを固定せずに戦う中でも大会随一のコンビネーションを披露し、見事3連勝で宮崎ラウンドのトロフィーを手にした。好調の秘訣は、何よりコミュニケーション力だ。新しいメンバーで新しいサッカーを構築していくにあたり、新顔の選手同士が密にコミュニケーションを取るようになり、細かな部分をしっかり擦り合わせるべく確認の声が多く上がっているという。まだまだ攻撃面におけるサポートの動きや得点パターンには改善点を残しているが、現時点では大幅な選手入れ替えが成功していると言っていいだろう。


 宮崎ラウンドの連覇を逃した鹿島だが、こちらも収獲は大きかった。リオデジャネイロ・オリンピック出場を決めたU-23日本代表トリオをさっそく起用。DF植田直通東京ヴェルディから移籍のMF三竿健斗はチーム合流翌日の熊本戦で、清水エスパルスから期限付き移籍してきたGK櫛引政敏は4日の千葉戦でピッチに立った。石井正忠監督が「コンディションの良さを聞いていたので、早く使ったほうがいいと思って起用しました。選手たちは頑張ってくれた」と話したように、選手の状態とチームへのフィットを考慮しながら連携アップを促した形だ。得点力や攻撃の迫力には向上の余地を残したが、ここまで主にトレーニングを積んできた守備面では新加入選手を含めて「及第点以上」(石井監督)という出来を披露。開幕に向けて着実に歩を進めた3試合だったのは間違いない。

 ともに1分け2敗に終わった熊本と福岡も宮崎ラウンドを踏まえて自分たちのサッカーを見つめ直すことに成功した。熊本は鹿島との第2戦で強豪相手に慎重に構えすぎてしまい、攻守に持ち味が出せず完敗。だが、福岡との第3戦では昨シーズンまで取り組んできた積極的なプレッシングサッカーが機能し、アグレッシブさを取り戻したチームは「ハードワークはチームの原点。勝ちたいという気持ちを出して相手に走り勝つことを大切にしたい」(清川監督)と立ち戻るベースの確認に成功した。J1に挑む福岡も、千葉との第2戦で5失点の大敗を喫したことで昨シーズンのJ2を勝ち抜く要因となった守備を再確認。熊本と対戦した第3戦で組織的に守るスタイルを再構築した。どちらも攻撃面に課題を残したのは、この時期ゆえのこと。新シーズンに向けて攻守両面で明確な課題と収獲を得たのは大きなプラスとなったはずだ。

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