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磐田、新戦力加入で多彩なチームへ…開幕前の大一番“静岡ダービー”に照準

2016.02.03

今季、初のJ1に臨むジュビロ磐田の名波浩監督 [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 2014年のJ1昇格プレーオフ準決勝モンテディオ山形戦で相手GKに決勝点を奪われた衝撃的な敗戦。そして昨季最終節大分トリニータ戦のロスタイム弾で勝ち取った劇的なJ1昇格。J2を戦った2年間で天国と地獄を味わったジュビロ磐田が、3シーズンぶりにJ1に復帰する。名波浩監督にとっては指揮官として初のJ1。「まずは勝ち点40の残留ラインをいち早く突破し、目標の上方修正をしていく。『今年のジュビロは違う』と思われるようにチームを鍛えたい」と意気込み、1月27日にキャンプ地となる鹿児島へ入った。

 昨季限りで元日本代表のDF伊野波雅彦、DF駒野友一がチームを離れ、新加入選手は両者の輝かしい実績には劣るものの、名波監督が「自分の目と経験を元にセレクトした選手。100パーセント自分の判断で獲得を決めた」と自信を持つメンバーだ。


 ジェフユナイテッド千葉から加入した高精度の左足を持つ左サイドバック中村太亮や、昨季ロアッソ熊本で12ゴールをマークしたFW齊藤和樹アルビレックス新潟で主将を経験して一回り成長を遂げ、6年ぶりに古巣へ復帰したセンターバック大井健太郎。「名波さんの下でプレーしたい」と声をそろえる選手たちは必ずやチームの力になるだろう。

 前回大会に続いて出場するJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップは、開幕に向けた調整の意味合いもあるが、選手たちにとっては大切なアピールの場。特に新戦力や若手はレギュラー争いに食い込もうと意欲を燃やしている。桐光学園高から加入したFW小川航基はその一人。今冬の全国高校サッカー選手権で2試合4得点と、圧倒的な存在感を示したU-18日本代表のエースだ。「誰よりも前に出てアピールしたい」と語り、開幕戦出場を狙う大物ルーキーが、どんなプレーでプロのキャリアをスタートさせるのかも興味深い。

 もちろん昨季大活躍を見せた元イングランド代表FWジェイのプレーにも注目だ。昨年はチーム合流が遅れて同大会には出場できなかったが、今年は出場予定。年明けにはアメリカのマイアミでNBAのスター選手であるレブロン・ジェームズのコーチから指導を受け、コンディションを整えて来日した。「準備はできている。100パーセントの力を出すだけ」。自身にとって初めてのJ1に向けたモチベーションは高い。昨季はJ2トップの20得点。強さと巧さを兼ね備えたワールドクラスのストライカーのプレーは必見だ。

 名波監督は就任以来、選手同士の組み合わせを重視してきた。昨季は年間を通じて4-2-3-1の布陣を採用。それは今季も継続路線だが、指揮官は「新しい選手が加わり、選択肢が増えた。2トップや3バックなど変化のあるシステムも試して肉付けしたい」とイメージを膨らませる。公式戦に近い雰囲気で戦えるJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップで新システムをテストする可能性もあり、現役時代に創造性豊かなプレーで観客を魅了した指揮官の采配にも目を見張らせておきたい。

 鹿児島ラウンド3試合の中で最も熱い戦いが期待できるのは、やはり清水エスパルスとのゲームだろう。過去2年間は磐田がJ2で戦い、今季は清水が入れ替わってJ2に降格。リーグ戦での『静岡ダービー』は3シーズンも見ることができない。これまで何度もお互いの意地をぶつけ合ってきたダービーは、サポーターにとっても注目が高く、熱戦は必至。名波監督が「ベストに近い布陣で臨むつもり」と位置付ける試合は、今季を占う意味でも重要な一戦となるだろう。

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