2016.02.03

至上命題のJ1復帰へ…攻守に激しいアグレッシブなサッカーを目指す清水

大前元紀
今季はJ2で戦う清水。エース大前を中心に1年でのJ1復帰を狙う [写真]=J.LEAGUE PHOTOS

 2014シーズン途中にアフシン・ゴトビ監督を解任後、清水エスパルスのプロ契約1号選手でもあった大榎克己氏を監督に招へいしたものの、浮上の糸口を見いだせないまま昨季途中で辞任。その後、クラブOBでもある田坂和昭氏にバトンを託したが、そのまま1勝もできず早々にJ2降格が決定。田坂監督の辞任と原靖強化部長の辞任が発表され、天皇杯も初戦で敗退していたことから、リーグ戦終了後早々にオフへと突入することになった。クラブは1997年に経営難による存続危機に見舞われて以来の大きな危機感に包まれた。

 新体制発表会見で左伴繁雄社長がクラブ目標を、今季が「J1復帰」、来年が「(J1での)優勝争い」。再来年は「タイトル獲得」とした。そのミッションを達成する立役者として白羽の矢が立ったのが小林伸二監督だ。その選任理由は「J2で監督経験があること」、「チームを3回以上J1昇格へと導いた経験があること」、「選手個々の特徴を見極め、最大限に選手の特徴を活かしたシステムで攻守に激しいアグレッシブなサッカーを目指すこと」、「チームを成長させられること」。以上の実績に申し分のないことが伊達倫央新強化部長から説明された。

 肝心の戦力を見ていくと、レギュラー組の中ではチームのトップスコアラーだったFWピーター・ウタカがサンフレッチェ広島へ、U-23日本代表でもあるGK櫛引政敏は鹿島アントラーズへとそれぞれ期限付移籍したが、その他の選手はほぼ残留。それに加えて6年前に放出されたGK西部洋平が「育ててもらった恩もある。カテゴリーダウンには悩んだけれど、エスパルスの力になりたい」と最年長としてチーム復帰。その熱い気持ちは“降格ショック”から気持ちを切り替え、新たなカテゴリーでの戦いへと心を奮い立たせようとしていた選手やサポーターに染み渡った。その他にも広島からDFビョン・ジュンボン、アルビレックス新潟からDF川口尚紀ら即戦力候補も加入。東海学園高から新卒加入のMF光崎伸とともに1月12日からトレーニングが始まった。

 2部練習でミニキャンプを張り、寝食をともにしながら、基本的に午前はフィジカルトレーニング、午後はボールトレーニングをしてチーム作りをしてきた。始動からキャンプ前までのクラブハウスでのトレーニングにおいて、対外試合はしておらず、紅白戦も1回のみ。ボールを使ったトレーニングは戦術を意識づけるのためのトレーニングがほとんどで、鹿児島キャンプでのJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップがシーズン初の対外試合となる。

 小林監督は「ここまでは上々の仕上がり。昨年のニューイヤーカップは1勝もできなかったから、今年は勝たせてあげたい。けれど、メンバーを固定して戦うことはしません。選手を混ぜて誰と組ませるのがいいかを見たい」と全員にチャンスを与えながら戦うことを示唆。「正直、1年目の私にはチーム作りのプログラム的にすごく難しい作業になります」と本音ものぞかせる。昨季と変わりそうな点は、より前目でボールを奪うことや縦パスへの意識など。対戦相手との駆け引きでより瞬時に柔軟な判断をし、常に複数のプレー選択肢を持つよう求めている。

 2月28日に予定されている明治安田生命J2リーグの開幕まで、すでに1カ月を切った。先ごろ発表になったスケジュールによると、清水は第5節までにともに降格した松本山雅FC、モンテディオ山形と対戦。さらに3月、4月には九州でのアウェーゲームが組まれており、J2の洗礼を受けることになりそうだ。従って至上命題であるJ1復帰を確実なものにするためには、シーズンインまでにどれだけ小林監督が目指すサッカーや戦術を徹底させ、心身両面でタフに戦う集団へと仕上げられるかがカギを握ることになるだろう。

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