終了間際にセットプレーから森重(中央)が決勝点を奪った [写真]=嶋田健一
FC東京は29日、明治安田生命J1リーグ1stステージ第8節でアルビレックス新潟と対戦し、1-0で勝利した。試合終盤に日本代表DF森重真人が今シーズン2ゴール目を決め、劣勢ながら勝ち点3を奪取。3位に浮上した。
立ち上がりから試合の主導権は新潟にあった。コルテース、レオ・シルバ、ラファエル・シルバのブラジリアントリオを中心にゴールに迫られた。これを森重が吉本一謙や権田修一との連携でゴールを死守。得点の機会を伺っていた。
「(失点)ゼロでいけば負けることはない。前の選手を信じてプレーを続けた。そうすれば今日みたいにチャンスもくる」
耐えに耐えて迎えた87分、前節のモンテディオ山形戦と同じ右サイドでFKを獲得。太田宏介からのクロスにタイミングよく林容平が飛び出してヘディングシュートを放つが、一度はGKに阻まれ、ボールはポストを叩く。しかし、跳ね返ったボールをゴール前でフリーになっていた森重が左足で難なく押し込んだ。
「新潟はセットプレーでマンツーマンで守っていた。遠いところから勢いよく走り込もうと思っていた」
狙いは的中した。林がシュートを放ったときには、森重と丸山祐市が新潟DFを振り切り、フリーでゴール前に詰め寄っていた。
終盤には相手の猛攻に遭うが、忍耐で生んだ森重のゴールを守りきり、リーグ戦2連勝。試合後も冷静な表情は崩さなかった森重だったが、記者からの「こういう試合でのゴールは格別?」との質問には、「そうですね」と答える声はわずかに弾んでいた。してやったりのゴールで勝ちを引き寄せ、3位に浮上。週末の多摩川クラシコに弾みをつけた。