2014.12.06

42.9%で大逆転? J1リーグ最終節、どんでん返しの伝統

サンフレッチェ広島
昨シーズン、最終節で逆転優勝したサンフレッチェ広島 [写真]=Getty Images

 2005年に1シーズン制が再採用されて今年で10年目を迎えるJ1リーグ。通常、長いシーズンを戦うこの方式で優勝争いが最終節までもつれ込むような事態は稀なことだ。ましてや、最終節での逆転となれば「珍しい」の一言だろう。だが、Jリーグはそういう「普通のリーグ」ではない。それは歴史が物語っている。

 まずリーグ戦が現行方式となった2005年からして異常なまでの混戦だった。一時は鹿島アントラーズが独走したものの、最終的には「最下位からの追撃戦」となったセレッソ大阪や、イビチャ・オシム監督が率いるジェフユナイテッド千葉、そして浦和レッズまで絡み、何と最終節時点で5チームに優勝の可能性があるという状況だった。

 その最終節時点での首位はC大阪。ホーム長居にてFC東京を迎えた試合は後半ロスタイムまではC大阪リードで優勝が決まりかけていた。だが、今野泰幸によもやのゴールを許して夢を砕かれることに。等々力で川崎フロンターレを相手に4-2の乱打戦を制していた2位・ガンバ大阪が思わぬ逆転で、初のリーグタイトルを手にすることとなった。

 また2年後の2007年にも印象的な逆転劇が起こっている。首位に立っていたのは、攻守にハイレベルなタレントをそろえていた浦和だった。一時は早々に優勝を決めようかというほどの状況だったが、ACLを勝ち進んだことで疲労が蓄積。終盤に急失速して2位以下の猛追を許してしまう。一方、2位の鹿島は記録的な連勝を重ね、驚異的としか言いようのない追い上げで差を詰めてきていた。

 そして1位・浦和に最終節で対した相手は横浜FC。史上最速で降格を決めてしまっていた最下位チームだったが、根占真伍に先制弾を許したチームは同点ゴールを最後まで奪えず、まさかの敗戦となってしまった。2位・鹿島はホームで清水エスパルスに圧勝し、Jリーグ史上屈指の大逆転劇を完遂してみせた。

 そして最後の逆転は前シーズン、2013年のこと。このシーズンにおいて、首位を走ったのは横浜F・マリノスだった。サンフレッチェ広島との直接対決も制し、一時は「あと1勝」という絶対的な優位を占めた。だが、第33節でアルビレックス新潟に敗れると、最終節でも川崎に敗戦。裏カードは優勝の可能性を残した2位・広島と3位・鹿島の直接対決だったが、これを広島が制し、大逆転での連覇達成となった。

 この9シーズンで、最終節を前にして優勝が決まったのはわずかに2度(10、12年)、最終節での逆転は何と3回もある(05、07、13年)。つまり、最終節まで優勝がもつれ込んだケースでは、約42.9%の割合で「逆転」があったということになるだろうか。

 首位に立つチームが背負う独特の緊張感は実に特殊なものだけに、いわゆるビッグクラブが存在せず、常態的に優勝争いを経験しているクラブがほとんどないことも、首位チームが持つこうした心理面での影響が最大化されてしまう理由なのかもしれない。

文=川端暁彦

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