勝ち点51で3位につける川崎 [写真]=Getty Images
■ヴァンフォーレ甲府 直近5試合中4試合で完封、堅守で勝ち点奪取を狙う
前節は首位浦和を無得点に封じ、勝ち点1を確保した。守備の完成度はデータを見ても明らかで、今季の被シュート数はJ1最少。加えて、直近5試合のうち、4試合で相手を無得点に封じている。
その一方、得点力不足も深刻で今は4試合連続でゴールを奪えていない。今季の6勝はすべて“完封勝利”で、当然ながら逆転は一度もない。相手に先制点を奪われて慎重な試合運びをされると、手詰まりを起こしてしまっている。
加えて、8月に途中加入して調子を上げていたキリノが、前節の浦和戦で左太腿裏を痛め、今節は欠場することが確実。背番号10のクリスティアーノも前節で今季4度目の警告を受け、今節は累積警告で欠場する。盛田剛平、石原克哉はいるが、中3日の連戦となれば35歳を超す大ベテランに大きな期待をするのは難しい。
そんな中でポジティブな部分を挙げるなら、前節に試された5-3-2の布陣が機能したこと。高い位置からプレスをかけることで相手のフィードを乱して攻撃を食い止め、ショートカウンターにつなげるという狙いで取り入れられているシステムだ。浦和戦の甲府はまず“いい位置でボールを奪う”ことに成功していた。今節もこの布陣を使うかどうかは不透明で、奪ったボールをどうフィニッシュにつなげるかという別の難題もある。とはいえ、高い位置でボールを奪ってからのカウンターは、現状で可能性を見出せる数少ない攻撃パターンだろう。(大島和人)
■甲府予想スタメン
3-5-2
GK
荻晃太
DF
青山直晃
山本英臣
佐々木翔
MF
ジウシーニョ
稲垣祥
マルキーニョス・パラナ
新井涼平
阿部翔平
FW
盛田剛平
阿部拓馬
■川崎フロンターレ 最終ラインの位置取りがスタイル復活の要因に
両チームのスタイルを考えれば、川崎がボールを握って攻め込む時間が長くなると見るのが妥当だろう。
そこでポイントは2つ。1つは粘り強い守りを見せる甲府守備陣を、チーム全体で焦れずに攻略し続けること。大久保嘉人、小林悠、レナトらリーグ屈指のフィニッシャーたちに、どれだけチャンスをお膳立てできるか。甲府守備陣との我慢比べに負けないことだ。
そしてもう1つのポイントは、押し込んでいる展開でも最終ラインを高く保ち続けることである。実はここが川崎のサッカースタイルが復調した理由でもある。實藤友紀と谷口彰悟を中心とした最終ラインはスピードがあり、高いラインでチーム全体がコンパクトになっていることで、良い距離感でのパスワークが復活。ボールを失った際の切り替えの速さも効果的な二次攻撃につながっている。前節で小林が得点を挙げたシーンも、高い位置で構えていた谷口が相手のボールを処理し、アシストした大島僚太につなげたことがゴールにつながった。カウンターを怖がらず、どれだけ最終ラインを強気に設定できるかが、甲府を押し込み続けるためのポイントだ。
連戦のためスタメンは定かではないが、前節の結果を踏まえると大きな変更はないはず。左足首の状態が芳しくない中村憲剛はベンチスタートが濃厚か。「全勝すれば何かが起きると思っている」と小林。優勝のために、粘る甲府を振りきらなくてはならない。(いしかわごう)
■川崎予想スタメン
4-4-2
GK
杉山力裕
DF
田中裕介
實藤友紀
谷口彰悟
登里享平
MF
森谷賢太郎
大島僚太
山本真希
レナト
FW
小林悠
大久保嘉人