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【Jリーグラボ】日本代表の得点への手段は? 戸田氏&東京V橋本が経験基づき提案

2017.12.19

 元日本代表でサッカー解説者の戸田和幸氏、そしてJ2東京ヴェルディに所属する橋本英郎が、2018年ロシア・ワールドカップに臨む日本代表について議論を交わした。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いるチームには、“得点源”と呼べるストライカーが不在。中盤の構成も井手口陽介(ガンバ大阪)、山口蛍(セレッソ大阪)など、ボール奪取力に定評がある選手が好んで使われる傾向があり、チャンスを創出する方法が乏しいという問題を抱えている。


「誰が、どのように点を取るのか?」という課題について、橋本は「僕はやったことないですけど」と前置きしつつ、このようなアイデアを提唱した。

「今、守備の規則をしっかりやっていますけど、今のメンバー、パスを出せる選手がいない状態で攻撃をやるのであれば、約束事を決めないと難しい。相手に研究されるかもしれないけど、点を取るための形を決めて、その精度を徹底的に上げる。サイドの速い選手を使い、中に飛び込む選手も決まっているとか、4人だけで攻め、ボールがこぼれそうなところに次の人が行く、その次にどこに出すかまで決めるんです」

 戸田氏は規律を重視するフィリップ・トルシエ元日本代表監督の下で2002年日韓ワールドカップに出場した経験を持っているが、当時のチームでは攻撃面でそのような約束事はあったのだろうか。戸田氏はこう語ってくれた。

「守備のところは(約束事が)ありましたけど、『こうやって点を取るよ』と繰り返しトレーニングしたわけではないです。押し込んで崩して得点を奪った記憶はあまりないですね。ロングボール使うことが多かったです」

 ハリルホジッチ監督の下では縦に速いスタイルや「デュエル(球際での個の戦い)」が強調されるが、戸田氏はトルシエ監督時代のスタイルも似たようなものだったと回顧する。

「当時のチームはとにかくコンパクトで強度が高かったですから。今の代表では『デュエル』という言葉がよく使われていますけど、ずいぶん前にやっていたんです(笑)。僕の中では、ずっとダッシュしている感覚でしたから」

 現代表の課題の一つとして、セットプレーからの得点の少なさが挙げられる。最近は井手口がキッカーを務めることが多いものの、戸田氏が「歴代の代表に比べれば人材がいない」と懸念するように、かつての中田英寿や名波浩、中村俊輔のようなキッカーは確かに不在だ。この状況を打破するために、橋本が再び新たなアイデアを提案した。

「キッカーがある水準まで達していれば、中の動きがそれに合わせる、つまりキッカーに依存するのではなく、中が作ってあげてもいいんじゃないかと。普通はキッカーが判断し、ポイントを決めて特定の選手を狙うんですが、それをチームとして特定の選手をターゲットに選んで、その選手が競り勝つために周りが動く。キッカーもそこに合わせる形にすれば、キッカーは速いボールを蹴ればいいだけになる。相手のウィークポイントを分析して把握しておけば、ある程度狙えるようになるんじゃないかな、と思います」

 北海道コンサドーレ札幌の野々村芳和社長がMCを務める『Jリーグラボ』は、毎月第2日曜日の21時から放送される。日本のサッカー水準向上を目的に、毎回ゲストを招いて様々な角度から日本サッカーを分析していく。2018年1月14日(日)の放送は、90分の拡大版。番組名誉MCの名波浩氏(ジュビロ磐田監督)がゲストに登場する。

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