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高校サッカー選手権…直近30大会で最も多くベスト4進出校を出した都道府県はどこ?

2020.01.10

今年度の選手権準決勝に進出した4校(左上から時計回りに、青森山田、帝京長岡、矢板中央、静岡学園) [写真]=梅月智史、佐藤博之、小林浩一

 第98回全国高校サッカー選手権大会は、いよいよ準決勝と決勝の3試合を残すのみとなった。全国4強に名乗りを上げたのは、青森山田(青森)、帝京長岡(新潟)、静岡学園(静岡)、矢板中央(栃木)の4校。日本を大きく東西に分ければ、東日本勢の独占状態ということになる。

 「東高西低」は、近年の高校サッカー選手権の特徴のひとつだ。ベスト4に西日本勢が2校以上勝ち進んだのは、第94回大会までさかのぼる必要がある。当時は、東福岡(福岡)と星稜(石川)がベスト4に進出した。

 では、直近30年間で全国ベスト4入りを果たした高校が最も多い都道府県はどこなのか。平成最初の大会となった1990年の第69回大会から今大会まで、計30大会のベスト4進出校を調査してみた。

 各都道府県の中で、最も多くベスト4入りを果たしているのは千葉県で14回だった。およそ2大会に1回の割合でベスト4進出校を輩出している計算になる。

 ベスト4進出14回のうち12回は、市立船橋と流通経済大柏の“2強”が成し遂げたもの。直近30大会で、市立船橋は7回、流通経済大柏は5回のベスト4入りを果たしている。今大会は市立船橋が2回戦で日章学園に敗れたが、千葉県勢が全国有数のレベルにあることは過去の実績を見ても明らかだろう。

 2位は鹿児島県で10回。そのうち8回のベスト4入りを果たしたのが、鹿児島実業だ。遠藤保仁(現・ガンバ大阪)や松井大輔(現・横浜FC)など、数々の日本代表選手を輩出。オールドファンにはお馴染みの伝統校である。しかし、第86回大会を最後に県予選敗退が続いており、高校サッカー選手権の舞台に立つことができていない。鹿児島県勢としても、大迫勇也(現・ブレーメン)を擁する鹿児島城西が準優勝を果たした第87回大会以降は、ベスト4までたどり着く高校がないのが現状だ。

 ただし近年、全国で苦戦を強いられているのは鹿児島県に限った話ではない。今回のランキングで3位に入った長崎県(9回)、そして群馬県と並んで4位に入った福岡県(7回)にも同じことが言える。

 長崎県のベスト4入り9回は、すべて国見が成し遂げたものだ。高校別のベスト4進出回数としては、単独トップの記録である。小嶺忠敏監督(現・長崎総科学大附監督)が率いた時代には、どの大会でも上位進出を果たし、高校サッカーの絶対王者として名を馳せた。しかし、計9回の4強入りは、最初の15大会で記録したもの。直近15大会は全国4強どころか、県予選突破も難しくなっている。

 一方、福岡県は第94回大会で東福岡が全国制覇を果たすなど、鹿児島県や長崎県ほどの落ち込みはない。ただし、直近15大会でベスト4以上の成績を収めたのは、当時の東福岡のみ。今大会も、筑陽学園が3回戦敗退を余儀なくされた。

 九州勢は上述の第94回大会で東福岡が頂点に立ったのを最後に、ここ4大会連続で1校も4強に進んでいない。もちろん、九州勢だけに原因があるわけではないが、近年の高校サッカー選手権が「東高西低」となっているのは彼らの低迷と無関係ではないだろう。

 では近年、好成績を収めている都道府県はどこなのか。今度は直近10大会に絞って、ベスト4進出校を調べてみた。

 各都道府県別では、千葉が最多5回を記録。ここでも千葉県勢の強さが際立っている。その内訳は、流通経済大柏が4回、市立船橋が1回となっている。

 そして、2位タイで並んだのが、青森県と石川県で4回ずつ。青森県は青森山田、石川県は星稜が単独で4回のベスト4進出を果たしている。特に青森山田は、ここ5大会中4大会でベスト4以上を達成。うち2大会で全国制覇を成し遂げ、今大会も連覇まであと2勝に迫っている。もはや別格と言っても過言ではないだろう。

 その後に続くのは、群馬、栃木、京都で3回、福島、三重、神奈川が2回だった。前橋育英(群馬)、矢板中央(栃木)、京都橘(京都)、尚志(福島)、四日市中央工(三重)といった高校が複数回にわたって4強以上の成績を収めている。

 ここまでを地方別に分けると、関東が4県、東北が2県、北信越、関西、東海が1県。関東勢の強さが目立っている。

 今大会のベスト4は、青森山田と矢板中央の“常連校”に加えて、初の快挙を成し遂げた帝京長岡、そして23年ぶりの4強入りを果たした静岡学園と、新旧強豪校が顔をそろえることになった。青森山田は大会連覇、矢板中央と帝京長岡は初優勝、そして静岡学園は24年ぶりの全国制覇がかかっている。どの高校が勝っても、ドラマチックなフィナーレを迎えることになりそうだ。

 泣いても笑っても残り3試合。令和初の王者に輝くのは、どの高校か。

▼都道府県別ベスト4進出回数 トップ10(直近30大会)

1位 千葉 14回
2位 鹿児島 10回
3位 長崎 9回
4位 福岡、群馬 7回
6位 青森、静岡 6回
8位 東京、石川 5回
10位 京都、栃木、兵庫、神奈川、三重 4回

▼都道府県別ベスト4進出回数 トップ10(直近10大会)

1位 千葉 5回
2位 青森、石川 4回
4位 群馬、栃木、京都 3回
7位 福島、三重、神奈川 2回
10位 新潟、静岡など計11都府県 1回

▼高校別ベスト4進出回数 トップ10(直近30大会)

1位 国見 9回
2位 鹿児島実 8回
3位 市立船橋、前橋育英 7回
5位 青森山田 6回
6位 流通経済大柏、東福岡、星稜 5回
9位 帝京、滝川第二 4回

▼高校別ベスト4進出回数 トップ5(直近10大会)

1位 青森山田、流通経済大柏、星稜 4回
4位 前橋育英 3回
5位 矢板中央、京都橘、尚志、四日市中央工 2回

(記事/Footmedia)

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By Footmedia

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