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初出場となった6年前からの変化が奏功…日本航空は本気で頂点を狙う

2019.01.04

走るチームに変貌した日本航空は優勝を狙い戦い続ける [写真]=瀬藤尚美

取材・文=森田将義(提供:ストライカーデラックス編集部)

 技巧派のMF山口和樹(湘南ベルマーレ)らを中心に華麗なポゼッションサッカーを展開した6年前の初出場時とは、サッカーがガラリと違う。仲田和正監督が「近年は来る選手の質が変わっているので、選手に応じたいいサッカーをしようと考えた。正直うまくはないけど推進力がある選手が多い。それなら、前に進んでいくサッカーのほうが向いているのかなと思った」と明かすように、2度目の選手権に挑む日本航空は、アグレッシブに前進を続けるスタイルが特徴だ。指揮官は「うちは攻撃に人数をかけられて、ダメだったら戻る。全員で数的優位を作るサッカーしかしていません」と続ける。

 ただ、新チームが発足した当初から、今のスタイルだったわけではない。元々は、リトリートした守備からのカウンターが持ち味だったが、夏以降は積極的にプレスをかけ、ボールハントからショートカウンターを狙うチームに変貌した。メンタル面での改革にも着手し、「勢いと声を出すチームになろう」と声を掛け合った。理想とするスタイルに近づくため、夏休み期間中には、20キロの走力トレーニングを5日間実施。あまりの辛さに音を上げそうになる選手もいたが、「皆で声を掛け、歯を食いしばることができたから、何とか乗り越えられた」(塚越誠也)。こうした取り組みの甲斐あって、今ではチームの雰囲気はいい。この日も、試合を終えてロッカールームに向かう際に、試合に出ていない選手と喜びを分かち合う姿が印象的だった。

 夏には県のライバル校・山梨学院がインターハイで優勝したこともチームの刺激になっている。悔しさと共に「自分たちも日本一を狙えるかもしれないと自信になった」(塚越)。選手たちは、一戦一戦、目の前の試合をものにし、頂点まで駆け上がるつもりで選手権に挑んでいる。

 この日の勝利で2年前のインターハイで記録したチーム最高成績の16強を突破したが、指揮官にも選手にも満足した様子は見られない。仲田監督が「大会に参加する以上は、優勝するチャンスはある。インターハイで流経柏と対戦したときもベスト16に進んで満足している選手がいたから、その先に行けなかった。ここから、どれだけ欲を持って、”応援してくれる人のために”と本気で頑張れるかが勝負を大きく分ける」と口にしたように全員が本気になって、更なる上を狙いに行く。

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