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“新・東京ダービー”制した町田がクラブ史上初の7連勝!/F1リーグ第8節

2023.07.19

先制点を挙げた町田の荒川勇気(中央) [写真]=SHOKO

 7月15日、17日にFリーグ2023-2024 ディビジョン1の第8節が行われた。

 前節、今季初黒星を喫した名古屋オーシャンズは、アウェイで立川アスレティックFCと対戦。予想を超える熱戦を展開した。まず試合を動かしたのはホームの立川。左サイドの上村充哉がシュートを放ち、こぼれ球を角度のないところからゴール前に送る。これを湯浅拓斗が押し込み、開始からわずか1分強で先制に成功した。1点ビハインドの名古屋も幾度となくチャンスを作るが、立川GK檜山昇吾の好守もありゴールを割ることができない。しかし、早い段階でタイムアウトを取り、立て直しを図ると、15分には吉川智貴のパスを受けた清水和也が落ち着いてループを放ち、これがゴールネットを揺らす。両者譲らぬ攻防を見せた第1ピリオドは、1-1のドローで折り返した。

 第2ピリオドでは同点の状況が長く続く。30分には立川が自陣で得たFKからパスを回すと、鬼塚祥慶が高い位置でプレッシャーをかけ、カットからすかさずシュート。これが決まり、名古屋が逆転に成功した。32分に菅谷知寿のゴールで同点に追いついた立川だったが、そのわずか14秒後にはダルランのゴールで名古屋が再び1点をリードする。しかし、33分には新井裕生のゴールで3-3に追いつくシーソーゲームを展開した。同点に追いついた立川はさらに攻勢を強め、中村充がカウンターを仕掛ける。これを名古屋がファウルで止め、6分を残して5ファウル。さらなるファウルのリスクを避けながら追加点を狙うため、名古屋は早い段階でパワープレーを仕掛けた。するとこの采配が奏功し、オウンゴールを誘発する。1点ビハインドとなった立川も、直後にパワープレーを開始。しかし、統率の取れた名古屋の守備を崩すことができずに試合終了が終了し、名古屋が4-3で接戦を制した。

 “いい戦い”をしながらも勝ち切れなかった立川。「こういった試合で勝利を収めるために何が必要か」との問いに、比嘉リカルド監督は「集中力が足りない。チャンスは多かったのに、どれだけのミスをしたのか。相手の戦い方は分かっているか。(第6節の)浦安との試合を見たのか。名古屋の攻撃はピヴォ当てを使うことが多く、ダルランも清水も1対1が強いが、それを抑えたにも関わらずマイボールから失点をすることは本当に悔しい。勝ちたかったら、最後のオウンゴールも許してはいけない。どこが狙われる、どこからボールが来る、どこで守備をする、そういった読みや集中力が足りなかった。戦っていないわけではなく流れもよかったので、名古屋相手にも互角の試合ができたと思うが、そういった失点を改善しないといけない」と悔しさをにじませた。

同点弾を決めた立川の菅谷知寿(中央)と駆け寄る湯浅拓斗 [写真]=SHOKO

 第7節終了時点で6勝1敗、勝点18で名古屋と並ぶペスカドーラ町田は、しながわシティをホームに迎えた。今季しながわがF1昇格を果たしたことにより実現した両者の対戦は「新・東京ダービー」とも呼ばれ、1400人を超える入場者を記録。町田のクラブ史上初の7連勝がかかる試合でもあり、注目度の高さがうかがえた。開始わずか4秒で野村啓介がファーストシュートを放つなど積極的に先制を狙う町田だったが、前節、負傷からの復帰を果たしたしながわのGK黒本ギレルメが好守を見せる。しかし、しながわが立て続けにファウルを重ね、自陣でFKを得た町田は10分、大きくピッチを使いながらボールを回すと左サイドで縦パスを受けた荒川勇気が反転シュートを突き刺し先制に成功した。1点ビハインドのしながわはGK黒本も攻撃に参加し同点を狙うが、15分にはその黒本が倉科亮佑を倒し5ファウル。さらに19分には6つ目のファウルで町田に第2PKを与えてしまう。しかし、荒川の放ったシュートは黒本が左ひざに当てて防ぎ、1ー0で第1ピリオドを折り返した。

 第2ピリオドでは同点を狙うしながわがチャンスを作る。22分にセットプレーから白方秀和が放ったシュートはクロスバーを越え、23分には熊谷利紀のパスに合わせ白方がシュートを放つがこれはポストに嫌われる。さらにルーズボールを拾った丹羽脩人がミドルレンジのシュートを打つが、これは枠を捉えることができなかった。しかし、24分には自陣からボールをつなぎ徐々に前進すると、今季新加入の笠篤史が町田GKジオヴァンニの左わき下を抜いてゴール。1-1の同点となった。GK黒本を上げての攻撃を続けるしながわに対し、27分にはミドルシュートをキャッチしたGKジオヴァンニが大きく前線へチェストパス。これを受けた山中翔斗がループシュートを放ち、再度町田が1点をリードした。その後も両者譲らぬ攻防を続けるが、37分にはサカイ ダニエル ユウジがゴール前を狙って出したロングパスをGKジオヴァンニがカットし、無人のゴールに向けてシュートを放つ。30mを超えるシュートはゴール中央に吸い込まれ、町田がリードを広げた。直後に佐藤建也をGKに置きパワープレーを仕掛けたしながわだったが、追撃及ばず試合終了。3-1で町田が勝利を収めた。

 クラブ史上初の7連勝を収めた町田の甲斐修侍監督は「毎回1000人を超えるみなさんに足を運んでもらっていることは、選手たち、クラブスタッフも重く受け止めている。今シーズンは特に選手一人ひとりがゲームに意識を向け、戦う気持ちをより表現できていると思うので、みなさんには感謝の気持ちしかない。長い時間、GKを活用され、不規則なことが起きても勝ち切ることができ、粘り強さを経験できたことは、長いリーグにおいては非常に大きい。あらゆる局面に対応できる選手、チームを目指してやっていきたい」。伊藤圭汰主将は「クラブの記録を塗り替えることができてうれしい。多くのお客さんがこうやって毎試合来てくれることもうれしいし、当たり前ではないことが続いているのは僕たちにとっていい影響を与えてくれるので感謝している。ホームでは絶対に負けてはいけないクラブだと思っているので、勝ち続けられるようにがんばっていきたい」とさらなる勝利に向けて意気込みを見せた。

<Fリーグ2023-2024 ディビジョン1 第8節>
シュライカー大阪 2-1 エスポラーダ北海道
フウガドールすみだ 3-2 ボルクバレット北九州
立川アスレティックFC 3-4 名古屋オーシャンズ
バサジィ大分 4-1 湘南ベルマーレ
バルドラール浦安 0-2 Y.S.C.C.横浜
ペスカドーラ町田 3-1 しながわシティ

By サッカーキング編集部

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