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名古屋オーシャンズが5大会連続、10度目の王座に輝く!/Fリーグオーシャンカップ2023

2023.05.23

トロフィーを授与された名古屋の篠田主将(中央) [写真]=SHOKO

 5月21日、茨城県水戸市のアダストリアみとアリーナで『Fリーグオーシャンカップ2023』決勝、名古屋オーシャンズvsバルドラール浦安が行われ、名古屋が浦安を5-1で下し、5大会連続10度目の王座に輝いた。

 2008年に『大洋薬品オーシャンアリーナカップ』としてスタートした同大会。開催した13大会すべてで決勝に進出している名古屋に対し、浦安は2017年大会決勝で名古屋に完敗して以来、2度目の決勝進出となった。

 試合は決勝にふさわしく緊張感が漂う。開始7秒で名古屋に新加入したフットサル日本代表の清水和也がシュートを放ち、その後も浦安ゴールに襲いかかる。浦安もベテラン選手に加え、18歳で大舞台のスタメンに起用された柴山圭吾や昨シーズンから頭角を現し始めた田中晃輝などが集中したプレーを見せた。

 第1ピリオドだけで22本ものシュートを放った名古屋だったが、準決勝のシュライカー大阪戦同様、なかなかゴールを割ることができない。スコアが動かないまま、第1ピリオド終盤を迎えると、18分、清水やアンドレシートといったパワーシューターが警戒されるなか、左サイドで安藤良平がフリーに。パスを受けて押し込み、名古屋が先制に成功した。

 1-0と名古屋リードで迎えた第2ピリオドでは、開始わずか30秒でセットプレーからアンドレシートが追加点。巻き返しを図りたい浦安の出鼻をくじく形となった。2点ビハインドの浦安は、GKピレス・イゴールを上げた攻撃でチャンスをうかがう。すると27分、この狙いが功を奏し、下部組織からの昇格をはたした空涼介がループシュートを決めた。空は「ダイレクトで流し込もうと思ったら結果的にループになってしまった」と振り返ったが、1点差に迫る貴重なゴールとなった。しかし、試合巧者ぶりを見せる名古屋は29分、ここまでゴールのなかった清水がニアハイをぶち抜く強烈なゴールで移籍後初ゴールをマーク。33分には、鬼塚祥慶の絶妙なアシストから金澤空が、こちらも移籍後初ゴールとなる得点で、リードを3点に広げた。

 GK篠田龍馬の好セーブもあり、追加点を奪うことができない浦安は5分半を残しタイムアウトを取ると、加藤竜馬をGKに置きパワープレーを開始。しかし、名古屋の守備を崩すことができず、38分には安藤にパワープレー返しを浴びる。その後もパワープレーを続ける浦安だったが、2点目は遠く5-1で名古屋が勝利。大会5連覇を達成した。

MVPに輝いた名古屋の安藤(左) [写真]=SHOKO

 決勝前に行われた3位決定戦では、シュライカー大阪と立川アスレティックFCが対戦。ベスト4で唯一、シード権を持たず5連戦となった大阪は、警戒されていた形から3分に新井裕生の得点を許すと、5分にも湯浅拓斗にゴールを奪われる。6分には加藤翼のゴールで1点差に迫ったが、立川の新加入選手、菅谷知寿の活躍もあり、2点を追う展開に。その後は両チーム得点を重ね、5-3で立川が勝利した。立川は準決勝での比嘉リカルド監督の退席により、小林勇樹監督代行が急遽指揮を執ったが、チーム一丸となり勝利を収め、今大会の3位チームとなった。

 決勝で2ゴールを挙げ、MVPに輝いた安藤良平はチーム最年長。受賞については考えてもいなかったと話し、「たまたま僕が2得点を挙げただけ。1点目は相手がハーフに引いていて押し込んだ状態のなかで、清水和也とアンドレシートの2人組の関係からうまく打開でき、僕のマークがカバーに入ってフリーになったので、あとは決めるだけだった。2点目はパワープレーの守備から、(宮川)泰生と僕でコースを切って、僕が回収して、これもあとは決めるだけだった。僕が何かをしたというよりもみんなで勝ち取った優勝でありMVPだと思っている」と感想を語った。「20代前半の選手も増え、経験の部分などで不安視をされていたかもしれないが、シーズン最初のオーシャンカップでこうやって優勝できたことはとても大きい。いいチームができていると思う」と週末に控える新シーズンの開幕にも期待をのぞかせた。

3位決定戦を終えた立川(白)と大阪 [写真]=SHOKO

<試合後会見>
■決勝
フエンテス監督/名古屋オーシャンズ
「決勝らしい試合になった。難しい試合だったし、お互い戦い合った。相手のチャンスをつぶして、自分たちのエラーを少なくするという基準を、時間が経つにつれてよくしていく。第1ピリオドを1-0で終えたことが、自分たちにとってアドバンテージになった。修正点をハーフタイムで話すことができ、その修正が第2ピリオドにしっかり見えた。いい状態でプレーができ、強さを見せられたので、相手は苦しんだのではないかと思う。残り10分からは相手がよりリスクをかけなくてはいけない状況になり、そこでも自分たちはパワープレーの守備に加え攻撃でもしっかりボールを動かして、いいプレーができた。これからも良くしていかなくてはいけない部分はたくさんあるが、それでも優勝できたことはうれしいことだ」

篠田龍馬主将/名古屋オーシャンズ
「チーム一丸となって、優勝するための舞台でしっかり結果を残せたことは、チームにとって一段階、二段階の成長につながると思う。これがリーグ戦につながり、いい自信を持った状態で開幕を迎えることができるので、結果が出てすごくよかった」

小宮山友祐監督/バルドラール浦安
「約1週間、みなさんのお力もあり、我々にとって非常にいい大会になったと思う。優勝を狙っていただけに残念だが、第1ピリオドから激しくプレスをかけて、浦安らしいフットサルを見せられたと思う。選手たちが勇敢に戦ってくれ、決定機もあったのでもう少しだった部分と、まだまだ足りなかった部分があるかな、と。シーズンが始まってすぐのこの大会で今回のようなパフォーマンスを発揮できたことは、監督としては非常にうれしく思う。ただ、タイトルを獲ることを目標としていた我々にとっては、非常に悔しい結果だった」

石田健太郎主将/バルドラール浦安
「決勝は自分たちにとって本当に大事な試合だった。決勝戦を初めて戦う選手も多くいるなかで、試合の入りはよかったが、決めるところを決めていれば違う試合になったと思うし、第2ピリオドの2失点目、3失点目がもったいなかった。立川との準決勝もそうだったが、自分たちの攻撃がうまくいかず守備に回る時間が多いときに、押し返す力はまだ少し足りないので、そこはリーグが開幕する上で強化していかないといけないと感じた」

■3位決定戦
小林勇樹監督代行/立川アスレティックFC
「昨日、アクシデント(比嘉リカルド監督の退席処分)があり、急遽当日入りとなった。立川は比嘉監督が普段から大枠のところを選手に指導していて、完成されているチーム。私は昨シーズン、トップチームのコーチとしてすべての試合と毎日のトレーニングに帯同していたので、分かるところは共有し、細かいところは選手に任せ、試合や相手の動きを見ながらセットプレーやポジションの修正を指示した。今日、勝てたのは間違いなく、普段練習をしている選手たちと、比嘉監督が作っているこのチームのフットサルのおかげだと思っている」

上村充哉選手/立川アスレティックFC
「主力選手が抜けて厳しいのではないか、と言われるが、試合を見てもらったとおり、弱くはなっていないと僕は思っている。3人(黒本ギレルメ、関尚登、金澤空)がいなくなって攻撃や守備のバリエーションが変わるところはもちろんあるが、出ている選手がしっかり結果を出すというのは、昔からの僕たちのいいところだと思う。今日のようないい試合ができれば優勝争いに食い込むことができるし、準決勝のようによくない試合になれば下位にいってしまう。どの試合もハイパフォーマンスを出せるようにしていきたい」

永井義文監督/シュライカー大阪
「結果としては勝てず、悔しく感じている。ただ、ベスト4まで上がれたことは自分たちの成果だ。この試合に限らず、これまでの試合も、ハードな状況にも関わらず選手たちが気持ちのこもったプレーをしてくれたので、非常に誇りに思うゲームだった」

齋藤日向/シュライカー大阪
「3位決定戦で勝って大会を終わらせることが近場の目標だったが、達成することができず残念だ。試合内容も含め、自分たちの未熟さがあったと思う。ただ、チームとして苦しい状況をはね返すときもあったので、そこは前向きにとらえている。ただ、自分たちの目指す優勝にはもっともっとパワーをつけていかなくてはいけないので、いいところは伸ばして、悪かったところはしっかり反省して、次につなげていきたい」 

<Fリーグ オーシャンカップ2023 結果>
優勝:名古屋オーシャンズ
準優勝:バルドラール浦安
3位:立川アスレティックFC
得点王:アンドレシート(名古屋/6得点)
MVP:安藤良平(名古屋)

By サッカーキング編集部

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