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高い個人技とチーム戦術。“大人のフットサル“で、PIVOがEXILE CUP東海大会2連覇!

2016.08.30

 小学4年生から6年生を対象にしたフットサル大会「EXILE CUP 2016」の東海大会が、20日岐阜県の長良川競技場で開催された。2010年ワールドカップ・南アフリカ大会に臨むサッカー日本代表の応援ソングをEXILEが手がけたことが縁で始まったこの大会。7年目となる今年は全国で応募数が過去最多となり、参加人数も4000名を超える見込みとなった。

 東海大会には開催地の岐阜を中心に、愛知、三重、静岡の4県から90チーム以上がエントリー。厳正な抽選により選ばれた52チームが、愛媛県今治市で行われる決勝大会へのたった1枚の切符をかけて熱戦を繰り広げた。

 開会式には、大会アドバイザーを務める、FC今治のオーナーでサッカー日本代表元監督の岡田武史氏がゲストとして登場。「勝ち残ったチームが今治に来てくれることを楽しみに待っています。そしてこの中から将来Jリーガー、日本代表が出てきてくれることを期待しています」と熱いメッセージを贈った。

 試合の前には、EXILEのÜSAさんが考案した「EXダンス体操」でウォーミングアップを行った。岡田氏もChoo Choo TRAINの列に加わり、会場がひとつになったところで、予選リーグがスタート。選手たちは30度を超える暑さをものともせず、織田信長が天下統一の足がかりとした岐阜城を頂くグラウンドから全国制覇を目指して元気一杯ボールを追いかけた。

 予選リーグは4チームずつ13ブロックに分かれて行われ、各ブロックの1位13チームと各ブロック2位の成績上位3チーム、計16チームが決勝トーナメントへ進出する。試合を見て回った岡田氏も「大会のレベルは年々高くなっている。その中でも応募数が多い東海はレベルが高いチームが多い」と目を細めていた。

「子どもたちにはサッカーの楽しみや遊び心を忘れず、自分のひらめきを大切にしてほしい」と語った岡田氏。その言葉を体現するかのように、「遊び心」あるプレーで会場を沸かせたチームがあった。地元・岐阜県のスポーツクラブ レインボー垂井 FCだ。「子どもたちが好きなようにプレーし、その中で自分を表現してほしい」(吉川悠希コーチ)という指導方針のもと、高いテクニックと独創性が光るプレーを披露。山口惟博君、井原凛久君らが華麗なドリブルで攻撃を牽引し、ベスト8入りを果たした。

 今大会は女子選手の活躍も目を引いた。昨年3位となった静岡の強豪・聖隷JFCの鈴木心菜さんはチーム唯一の女子選手ながら、チームの中心として男子選手と変わらぬ活躍を見せた。昨年に続き2度目の出場となった女子単独チームのクワトロガールズFCは、男子チーム相手にひるむことなく果敢に戦い、ブロック1位で念願の決勝トーナメント進出を果たした。「なでしこジャパンの大野忍選手のようなガッツのある選手になりたい」と話すクワトロガールズFCのキャプテン、大嶋美月さんは「去年はボコボコにされたけど、今年は勝ててよかった」とチームの成長を感じ、笑顔がはじけた。

 クアトロガールズの大嶋さんも「決勝トーナメントは空気が全然違った」と語った通り、決勝トーナメントに入ると、一気に緊張感が高まる。拮抗したゲームが続く中、王者の風格漂う戦いぶりを見せたのが2連覇を目指すPIVOだ。予選リーグを6-0、17-1、16-0と圧倒的な力を見せつけ勝ち上がると、決勝トーナメントでも1回戦を6-0、2回戦を4-0と危なげなく勝利した。

 準決勝では名古屋オーシャンズのスクール選抜チームPiacevoleと対戦。高い個人技とチーム戦術を兼備するPIVOは、大人顔負けの落ち着きで、連動してスペースを突きながらじっくり相手を崩していく。先制点も流れるようなパス回しから、ファーサイドに逆のアラが飛び込むという、まさにフットサルのセオリー通りの形から生まれた。対するPiacevoleもPIVOの毛利瑠星君を起点に猛追。2点を返し、王者を慌てさせたが、あと1点が届かず涙を飲んだ。

 決勝はPIVOと、準決勝でFC下田を敗ったvoce e amdorU12の顔合わせに。PIVOは開始直後、キックインをゴール前の選手がヘディングで流して幸先良く先制。その後も得点を積み重ね、主導権を握り続けた。voce e amdorU12は駒澤志道君のゴールを口火に反撃を試みたが、前年度チャンピオンの厚いディフェンスを崩せず、逆に追加点を奪われる。「あきらめるな」とチームを鼓舞し、最後までゴールを狙い続けた駒澤君は「悔しいけど、ゴールもしっかり決められたし、声もしっかり出せた。チームのためにしっかりとプレーできました」と清々しい表情でピッチを後にした。

 7-2の完勝で連覇を果たしたPIVOの石神恒行監督は「(決勝は)点差はつきましたけど、内容的にはどちらが勝ってもおかしくなかった。うちがチャンスをものにしただけです」と控え目に語ったが、「もう一度戦術をしっかりと確認して、昨年度の3位以上の成績を残せればと思います」と穏やかな口調に全国制覇への強い決意を滲ませた。

取材=山田 智子 写真=本美 安浩

By サッカーキング編集部

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