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主将に選出されたFP仁部屋和弘「フットサル日本代表が強いということを示す」

2016.04.22

フットサル日本代表のキャプテンに任命された仁部屋和弘 [写真]=河合拓

 フットサル日本代表は22日から始まる国際大会で、フットサルベトナム代表、フットサルウズベキスタン代表と対戦する。ベトナム戦前の公式練習の最後、木暮賢一郎監督はチームメイト全員の前でFP仁部屋和弘(バサジィ大分)をチームのキャプテンに指名した。かつて自身もキャプテンとして日本代表の精神的支柱となっていた木暮監督は、その選出理由について「練習を見ていて、自分の中で納得したところがあった」と説明した。

 2月に開催されたAFCフットサル選手権で、日本代表はベスト8で敗退し、2016 FIFAフットサルワールドカップ・コロンビアの出場権を逃してしまった。その大会に出場してFP森岡薫(ペスカドーラ町田)とともに日本最多の4得点を挙げた仁部屋だが、目標を達成できなかったことで自身の力の無さを強く感じたという。

 その悔しさは、仁部屋を大きく変えた。この日、午前中のトレーニングから取材を開始したのだが、仁部屋はこれまで以上にチームメイトたちに声を掛けて、プレーでも強い意志を感じさせていた。

「日本のフットサルファンに、あらためて『フットサル日本代表は強い』ということを示せる試合にしたいと思っています。準備期間は短いですし、やれることは少ないですけれど、日本の良さであるチームが一つになって戦うことをやって、全力を出し切りたいと思います。(アジア選手権では)本当に悔しい思いをしたので、本当に勝ちたい。なんて言葉にしたらいいのかわからないくらい、とにかく特にベトナムには勝ちたいです」

 この時点では、まだキャプテンに指名されていなかった仁部屋は、「勝手にそういう気持ちでやっています。キャプテンになってもならなくても、チームを引っ張らないといけないと感じました。アジア選手権では、得点力と絶対的なリーダーシップが自分に足りないと痛感したので」と口にした。

 リーダーシップを発揮しやすい環境もつくられた。今合宿からは選手同士が話をできる部屋をつくり、過去のフットサル日本代表の試合映像や練習映像などを流して、選手たちがコミュニケーションを取りやすい状況をつくった。そこで仁部屋やFP西谷良介(フウガドールすみだ)らアジア選手権を経験した選手たちを中心に集まり、若い選手たちにもそのときの経験を話したり、プレーについてのアドバイスを送ったりしているという。

 リーダーシップを示すとともに、紅白戦でも積極的にゴールを狙い続けていた。「世界トップレベルの選手たちとの差は、シュートのところだけだと思っています。そこさえあれば、上のレベルに行けると感じています。決めきる力、勝負に勝てる力を付けていきたいと思います」。

 大分出身である仁部屋は、不安を覚えながらも家族を大分に残して日本代表活動に参加した。「僕はフットサル選手なので。フットサルで少しでも多くの人にプラスのエネルギーを与えられたらと思っているので、そのためにもこのベトナム戦、ウズベキスタン戦には勝ちたいと思っています」。ゴールに、勝利に、かつてなく貪欲になっている仁部屋は、多くの人々の期待を背負っていることを自覚し、高みを目指す。

文=河合拓

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