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コーチ登録の府中・皆本、プレーオフ進出に向け「いい結果に繋がるよう貢献したい」

2015.12.09

小田原セントラルでコーチとしてベンチ入りした皆本(府中) 写真=Fリーグ

 フットサル日本代表が約2週間の欧州遠征を終えて帰国の途についた。11日にはゼビオFリーグが再開される。

 日本代表としての地位を確立しながらも、10月に左膝前十字靭帯を損傷し、復帰まで8ヶ月と診断された府中アスレティックFCの皆本晃。来年2月にFIFAフットサルワールドカップの予選を兼ねて開催されるAFCフットサル選手権への出場は叶わない。今年7月のオーシャンカップ・神戸フェスタではクラブ初のタイトル獲得に大きく貢献し、リーグ戦優勝を見据えプレーオフ進出を狙う終盤戦で長期離脱を余儀なくされた皆本の現在の心境に迫った。

 負傷の4日後には手術を終え11月に退院した皆本は、小田原セントラルでコーチとしてベンチ入りをはたした。治療を続けながらチームの試合はすべて映像でチェックしていたが、約1ヶ月ぶりにチームに合流し現場の空気を感じて気づいたことがあると言う。

 「映像では表情やプレーに対する小さなリアクションまでは伝わらず、声も聞こえてきません。戦術的解決策だけなら映像でもある程度見出すことはできますが、試合にはその場を支配している空気やメンタル面が大きく左右してくるので、そこにこそ根本的な解決策を読み解く一番大切な鍵が眠っている、と改めて感じました」

 負傷前からピッチでもベンチでも監督と同じ目線で試合を見つめてきたため、コーチとしてベンチにいることに違和感はなかった、と言う。唯一違うのは”皆本晃”という駒が使えないこと、と笑う皆本はチームの変化をこう分析する。

 「僕が離脱した当初は、『皆本晃の代わりを誰かがする』というようなイメージがあったように感じます。でも、僕がプレーしていたセットは僕がやりやすいように周りが合わせてくれ、自分の特徴を出して活躍するのは当たり前、といった状況を作ってくれていました。こういった状況で代わりが務まるのは自分とまったく同じ特徴を持った選手だけです。また、僕が生きる形にもメリットもあればもちろんデメリットもあります。今、チームはコンセプトは変えずに細部で変化を見せています。僕の影が少しずつ消え、違う特徴を持った形がフィットしてきていると感じています」

 昨季は最終節でプレーオフ進出を逃した。今季もプレーオフ進出の残り1枠は最終節の結果に委ねられる。自分の影が消えることは淋しくもあるが、最終的にいい結果に繋がるように貢献していきたいのだと言う。「今までキャプテンとして、どこまでチームの精神的な支えになっていたのか自分には分かりません。それでも今、ベンチにいることが目に見えない部分でも支えになるのなら、全力で頑張りたいと思います。でも主役は選手ですから」

 谷本俊介監督が指揮を執り3年。多くの選手がこの3年間の悔しさと成長を共有してきている。3年間の集大成をプレーオフの懸かったヒリつくような大一番で証明したい、と語る皆本は残り2節をベンチでどう戦うのか。その動きにも注目したい。

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