川崎と1-1のドローに終わった広州恒大 [写真]=Getty Images
「スタメン4人を入れ替える策も、問題解決には至らなかった」
「後半、まるでFCバルセロナのようなサッカーを川崎にやらせてしまった責任は、自らにある」
AFCチャンピオンズリーグ2017グループGの第3節、広州恒大対川崎フロンターレの一戦後に、中国ネットメディア大手「新浪体育」が報じた試合速報の見出しだ。
試合結果に苛立ちを隠せないメディアやファンの感情が先行し、川崎について触れる記事は非常に少なかった。
広州恒大にとって17日間で5試合目、確かに過密日程ではあった。先週金曜日にアウェイで行われた国内リーグ、山東魯能戦に1-2で敗戦。フィジカルに問題があると履んだルイス・フェリペ・スコラーリ監督は、スタメンを4人代えて挑んだこの試合でも上手く機能しなかった、というのが多くの赤き世論だ。
前半は圧巻の試合運びだった。パウリーニョを中心とした攻撃は数多くのチャンスを生み出した。しかし川崎のGKチョン・ソンリョンの堅い守備に阻まれ、前半を1-0のリードで折り返すことになる。川崎には決定機を殆ど作らせず、攻め続けた前半で勝負がついていてもおかしくなかった展開、決める時に決めていれば、である。
「スコラーリ、お願いだからやめてくれ」
「マルチェロ・リッピが築いてくれた基盤を、スコラーリが全て費やしてしまった」
「世界には良い指導者はたくさんいる。俺達のチームに合った監督を!」
新浪体育の記事に、広州恒大のファンが群がり悲観的なコメントをぶら下げていく。
1-0で迎えた後半アディッショナルタイム、ウ・カンチョウがハンドリングを取られたPKから川崎に追いつかれた。ほぼ手中にしていた3つのポイントを取りこぼしたと思うファンのショックは相当なものなのだろう。百戦錬磨の名将への容赦ないバッシングが止まらない。
ACLは今節で予選グループが一巡したことになる。川崎、広州恒大が属するグループGは混戦模様になっている。残る3試合でどこが抜け上がるのか、アジアのコンペティションは楽しみが尽きない。
取材・文=佐々木裕介
協力=アジアサッカー研究所