FOLLOW US

フットサル日本代表国際親善試合……第2戦は「完璧に近いゲーム」でクロアチアに完勝

2014.12.21

国内初ゴールを決めた森岡薫。日本代表は強豪クロアチアを圧倒する試合を披露した [写真]=本田好伸

 20日、グリーンアリーナ神戸(兵庫県)でフットサル日本代表の国際親善試合が開催された。18日に行われた第1戦はペースを握りながらも1-1の引き分けに終わっていたが、今回の第2戦は内容と結果がリンクして5-2で完勝。詰め掛けた多くの観客の前でアジア王者としての実力を存分に披露した。

「日本の勝利におめでとうと言いたい。内容にふさわしい結果だったし、我々よりもはるかに上回っていた」と試合後、敵将のマト・ストンコビッチ監督が日本代表に賛辞の言葉を贈った。一方で日本を5年間に渡って指揮しているミゲル・ロドリゴ監督も「前半はほぼ完璧に近いゲームができた」と試合後の記者会見で満足そうな表情を浮かべた。

「ほぼ完璧」の要素の一つは、日本代表が長い時間を掛けて構築してきた前線からのアグレッシブな守備が機能したこと。これは、クロアチアがボールを持った瞬間に前線の選手がプレッシングを開始し、その動きに呼応するように味方が連動して相手を追い込んでいくシステマチックな動きのことだ。そしてボールを奪取すると、そこから効果的な攻撃へとつなげていった。「ポゼッションを保ちながらもゴールを目指す垂直方向の攻撃ができた」(ミゲル・ロドリゴ監督)ことで相手を押し込んでいき、序盤から主導権を握っていた。

 対するクロアチアは、攻撃を封じられたことで為す術がなくなり、早い段階でファウルを重ね、わずか7分で5つめのファウルを冒してしまっていた。これでさらに試合を優位に進めた日本は14分、クロアチアの6つ目のファウルを誘い、第2PKを獲得した。キッカーを務めたのは森岡薫。「コースは最初から決めていた」というシュートをゴール右隅に蹴り込み、国内で臨む6試合目の親善試合にして国内初ゴールをマークした。

 さらに、直後に投入された前鈍内・マティアス・エルナンがCKからの浮き球をボレーシュートすると、GKがクリアしたボールを右サイドの星翔太がゴールネットに突き刺した。一気に2点差とした日本は、さらに勢いを増していく。2点目からわずか37秒後、左サイドから中にカットインした仁部屋和弘が放ったシュートが決まって3-0。相手を圧倒する内容でリードを奪ったまま前半を折り返した。

 後半も畳み掛けたい日本は、24分に小曽戸允哉のゴールで4点差を付けることに成功したが、その直後に一瞬の隙を突かれて失点してしまう。ただすぐさま気を引き締め直すと、相手陣内の高い位置でボールを奪った小曽戸が再びゴールを陥れ、相手に傾き掛けたゲームの流れを引き戻した。

 意地を見せるクロアチアも、GKをフィールドプレーヤーのフランコ・イエロブチッチと交代してのパワープレーでゴールを狙っていく。第1戦でもパワープレーから失点していたために日本も警戒していた戦術ではあったが、30分にヤコブ・グルツィッチに決められ1点を返されてしまった。それでも、点差に余裕がある日本はその後の攻撃に落ち着いて対応。体格面では相手に劣りながらも、日本が積み重ねてきたスタイルを貫き通して戦い、ホームで価値ある勝利を手にした。

「自分たちが目指す方向の試合ができて満足している。次の欧州選手権でもシードを獲得している強豪チームに、偶然ではなくやろうとしていることをうまく出しながら勝てた成果は大きい。これが2016年への進むべき道だと確信している」と、2014年の最終戦を振り返ったミゲル・ロドリゴ監督。日本代表はここからさらなるチーム力のアップを図り、2016年に開催されるアジア選手権での3連覇、そしてその先にあるコロンビアでのフットサル・ワールドカップでベスト8以上の成績を収めるべく、強化を進めていく。

フットサル日本代表国際親善試合
開催日:2014年12月20日
会場:グリーンアリーナ神戸/兵庫県

[試合結果]
18:30 フットサル日本代表 1-1 フットサルクロアチア代表

写真・文◆本田好伸

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

SOCCERKING VIDEO