2014.02.10

佐藤綾乃「ツアーでの私の目標は『めげない』ことです!」

2月2日定期公演の中で、アップアップガールズ(仮)の中野サンプラザ単独公演開催決定が発表された。「ハロプロの聖地」とも呼ばれる中野サンプラザでの単独公演は、モーニング娘。を中心としたハロー!プロジェクトを一旦はクビになったアップアップガールズ(仮)の7人にとって、ずっと目標としていた場所だ。

アプガの中野サンプラザ超決戦は6月1日。その前に、2月19日にはセカンド・アルバムとなる『セカンドアルバム(仮)』をリリース。また、3月21日からは全国14箇所を回る初の全国ツアーもスタートする。

昨年このコーナーでインタビューさせていただいた仙石みなみさんに続き、今回はアプガの中でも「煽り隊長」として最近急速にステージでの存在感を増している佐藤綾乃さんにお話を伺った(なお、取材は中野サンプラザ公演が発表される以前に行っています)。(写真・文●岡田康宏)

まさかこんな形でジャケット写真が広まるとは

-2月19日にセカンド・アルバムとなる『セカンドアルバム(仮)』が発売されますが、斬新なジャケットが話題になりました。

綾乃 そうですね、このジャケットが発表されてから、ファンの方たちが勝手にいろいろなバージョンを作ってくれて、まとめられていましたね。すごいおもしろい写真がいっぱいあるんですよ。ネタみたいな写真がたくさんあって、なんでこんな写真ばっかり持っているんだろうって(笑)。今回のセカンドアルバム(仮)は通常盤が新井、初回限定版は古川のソロジャケットで、その二人の顔しかないので、これを見てファンの人達はどう思うんだろうって思っていたんですけど、まさかこんな形でジャケット写真が広まるとは思っていなかったので嬉しいですね。

【アプガ】アップアップガールズ(仮)「セカンドアルバム(仮)」ジャケ写作ってみた -まとめ
http://togetter.com/li/618029

– いろいろなネタありましたよね。

綾乃 すごいいろいろ見ました。私が誕生日公演のときに佐保にパイ投げを喰らって鼻血を出したんですよ。そのときの血染めのタオルの写真が上がっていたりだとか、たくさんネタがあるなと。上がっている写真を見て、自分たち何やってるんだろうって思ったこともありました(笑)。YouTubeにも上がっているんですけど、一人ずつ部屋に呼び出されて、あのジャケットの写真を見せられたんですよ。初めに1人の写真を見せられたときには、7人分あるのかと思ったんですよ。そうしたら、なくって。最初は「えっ!」って思ったんですけど、他の子たちがいないからこれだけ話題になったので成功かなって思います。

センターというよりも一人一人の個性が大事

– 今回、ジャケットには写っていないですけど、アーティスト写真ではセンターですよね。

綾乃 これは嬉しいです。7人もいるとなかなかセンターになれないし、この写真自体、少しいかつい感じのイメージで撮ったんですけど、それでセンターに来たというのは、私はいかつい感じに見られているのかなと思ったりしたんですけど、センターはセンターなので嬉しいです。

– アプガは、センターは毎回変わるんですか?

綾乃 基本的には仙石がセンターなんですけど、リーダー(仮)から降格してしまったので。それから他のメンバーもセンターになるようになって。

– グループによってはセンターは特別なポジションだったりしますけど、そういう意識はありますか?

綾乃 アプガの場合は、センターというよりも一人一人の個性が大事なので。今回、私がセンターですけど、個性が強い子が多いので、どちらかというとセンターというよりも個性があるって言われた方がいいなって思います。

-昨年秋からのアプガ第二章では、個の力を伸ばしていくのが課題となっているそうですが、佐藤さん自身はどうですか?

綾乃 去年の夏くらいからファンの人からも変わったよねって言ってもらえるようになって。最初は引っ込み思案で、なかなか自分から気持ちを前に出そうとしなかったんですけど、夏から『煽り隊長』っていう役割を自分で見つけて、そこから自分の気持を出せるようになったし、ライブでも、歌割りが少ないので、歌だけではなく煽りでもファンの人に魅せようっていう気持ちが強くなったので、そこから個性っていうか、自分のやるべきことが見つかって変わったかなって思います。

-もともとそういう『煽る』性格だったんですか?

綾乃 全然です。私、この活動を始めたときは『おいっ!おいっ!』って言うだけでもすごい恥ずかしくて、周りが言っていても絶対に言ってなかったんですよ。そんな『おいっ!おいっ!』なんて言えないよって思っていたんですけど。なんでいま、自分から『おいっ!おいっ!』って言うようになったのか理解ができないんですけど。でも、どこかで気持ちのスイッチが変わったのかなと思います。

-やってみたら、ハマった感じですか?

綾乃 ハマったと思ったこともなくて。見た目が、ヤンキーとかギャルとか言われるんですけど、実際は中身が全く正反対なので。なので、見た目と煽りを合体させた感じです。

-見た目のキャラに合わせてやってみた?

綾乃 煽りをやるようになってから、これは見た目とフィットしたなって思ったんですけど、最初は全然そんなこと考えてなくて、とにかく私の存在をいろいろな人に知ってもらいたかったんですよ。本当に歌が苦手で、頑張ってはいるんですけど、歌割りは簡単には増えないので。だったら違うもので自分を見せていこうと思ったときに『煽り』を始めたんですよね。どんどん周りの子が個性を見つけて行って、暑苦しい古川とか、普段からちょっとツッコミが過ぎている新井とか、空気を破壊する明梨とか。その中で自分はどんな立場なんだろう、アプガの中で自分はどんなポジションなんだろうって思ったときに、何もなくて。それだと、グループの役に立てることも少ないから、ちょっとこれじゃイカンと思って。

アプガならではの煽りを見つけていきたい

-自分の役割を見つけるまで時間はかかりました?

綾乃 今は自己紹介でも『煽り隊長』とか言うんですけど、『煽り隊長』って言えるようになるまでも時間がかかって。メンバーの中では、綾乃が煽り担当だよねって言われれるようになっても、最初はそれを外に発信するのが怖くて。『煽り隊長』って名乗っても、自分がガツガツ行けるかどうか分からないし、しばらくはファンの人にも言っていなかったんですけど、いつまでもそれじゃダメだと思って、夏のTIF(東京アイドルフェスティバル)のときに初めてファンの人の前で『煽り隊長』って自己紹介をしました。

-自分から言うようになって意識は変わりました?

綾乃 いろいろ考えるようになりました。煽りって言っても『盛りがってますか!』って聞くだけじゃないので。去年の夏に大型のロックフェスに出させていただくことがあって、そこで見て学ぶこともありましたね。煽りって何を言ってもいいんだなって。それまでは、定型文みたいなのがあって、その中から選んでいくものだと思っていたんですよ。だけど、ロックの人たちを見ていたら、なんだこの煽りって思うようなことをいろいろ言っていて。それが心にズンと来て。それがなかったら気づかなかったんだなって。

-何か印象に残っている煽り文句とかありますか?

綾乃 ロッキンジャパンフェスで、ちょうどそのとき曇っていたんですけど、その人たちが演奏しているときに晴れてきて、そうしたらMCで『みんなお天道様に感謝しろ』みたいなことを言っていて、なんか結構言いたい放題なこと言っているなって思って。そのグループによっても煽り方とか全然違うし、かっこいいなって思って。だから、自分もそういうアプガならではの煽りを見つけていけたらいいなって思いました。

-グループの中で自分のポジションが見つかると、やりやすくなるものですか?

綾乃 やりやすくはなりましたね。困ったとき、自分は今何をすればいいんだろうって思う瞬間がときどきあるんですけど、そういうときに自分のポジションは煽りだから、煽りに命を捧げるというか、ライブでも激しい曲を連続でやるので、そろそろ体力ヤバイだろって思ったときに、私の一言でみんなが上がるような一言が言えたらいいなと思うし、もっとファンの人のテンションが上がることを言おうとか、自分の役割がはっきりしましたね。

-ファンの人の反応って時と場所によって変わります?

綾乃 全然変わりますね。始めて行くところとか、対バンのときとか、お客さんも煽られ慣れていないというか、静かに見たい人が多いときもあるし、でもそれで反応が返ってこないと焦るんですよ。今のこれ、大丈夫だったかなって。ちゃんと通じてるかなって。反応が返ってこないときは凹むこともありますね。そのあとの曲とかは、たいていボロボロになっちゃうんですけど。でもそれは煽りを始めた当初で、最近は、次はこの煽りはやめようとか、じっと見ているお客さんに負けるなとか、自分にいろいろ言い聞かせながらやっているので、大丈夫になってきたんですけど。最初はズタボロでしたね。今、ここじゃなかった〜、とか。あと私、よく噛むんですよ。言葉が出てこなくなっちゃって。煽りで噛み倒したときは、そのままステージからはけたくなります。もう、やだって。お互いテンションをあげようとしてやっているのに、どちらも下がっちゃうんで最悪だ、みたいな。

-でもやって行くうちに鍛えられてきたんですね。

綾乃 はい、心も鍛えられております(笑)。

このツアーでの私の目標は『めげない』こと

-今、タワーレコードの企画で各地域のエリアマネージャーとして7大都市を回っていますけど、普段よくライブをしている東京とそれ以外の地域では、お客さんの反応に差はありはしますか?

綾乃 私は大阪地区のエリアマネージャー(仮)で、大阪は7人でもよく行かせてもらっていますし、ノリがいいのでいつも通りの感覚でできるんですけど、初めて北海道に行ったときは対バンで、お客さんを煽ったらシーンとなっちゃったことがあって、う〜ん、どうしようって。そのときはテンパりました。これから初の全国ツアーで、14箇所を回らせてもらうんですけど、まだ行ったことのない場所がすごく多いんですよ。そもそもお客さんが来てくれるのかなって不安なところもありますし、どんな反応が来るかわからないんですけど、このツアーでの私の目標は『めげない』ってことなので。めげずに煽り続ければ伝わるかなって。

-それが個人的な目標なんですね。グループとしての目標はありますか?

綾乃 このツアーが中野に向かってということなので、ツアーが成功したら中野サンプラザのステージに立てるかも、というところまで来たので。この14公演はメンバーからの熱気がヒシヒシと伝わるようなライブになるんじゃないかなって思っていて。タワレコでやっている7大都市(仮)化作戦で自分たちの担当地域にも行くので。担当地域に関しては責任が重大なので、今からすごい意気込んでいます。一戦一戦、燃えて帰ってこようと思います。

– わかりました。ありがとうございます。ところで、こういう単独のインタビューってよくあるんですか?

綾乃 いや、実は一人では初めてなんです。だから今日、かなりドキドキで来たんですけど。いつもは中野のことに対してとか、大事なことに関しては、元リーダー(仮)である仙石や、しっかりしている古川がしゃべることが多かったので、私で大丈夫なのかなってちょっと不安だったんですけど、自分の気持ちが話せて良かったなって思います。

このインタビューの数日後、6月1日の中野サンプラザ単独公演開催が発表されました。斬新なジャケットが話題のセカンドアルバムは2月19日発売。中野へと続く全国ツアーは、3月21日の名古屋決戦からスタートします。

アップアップガールズ(仮) 『セカンドアルバム(仮)』2/19発売

アップアップガールズ(仮)1st全国ツアー

アプガ第二章(仮) 進軍〜中野に向かって〜
名古屋決戦 3月21日(金祝) BOTTOM LINE(愛知)
大阪決戦 3月22日(土) umeda AKASO(大阪)
神戸決戦 3月23日(日) Kobe SLOPE(旧神戸ウィンターランド)(兵庫)
盛岡決戦 4月5日(土) 盛岡CLUB CHANGE WAVE(岩手)
仙台決戦 4月6日(日) 仙台Rensa(宮城)
札幌決戦 4月20日(日) 札幌ペニーレーン24(北海道)
福岡決戦 4月27日(日) 福岡DRUM LOGOS(福岡)
熊本決戦 4月29日(火祝) 熊本DRUM Be-9v1(熊本)
松山決戦 5月4日(日) 松山サロンキティ(愛媛)
高松決戦 5月5日(月祝) 高松MONSTER(香川)
広島決戦 5月10日(土) 広島CLUB QUATTRO(広島)
岡山決戦 5月11日(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM(岡山)
高崎凱旋 5月24日(土) 高崎club FLEEZ(群馬)
新潟決戦 5月25日(日) 新潟LOTS(新潟)
中野サンプラザ超決戦 6月1日(日)中野サンプラザ(東京)

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