2013.07.11

荻野可鈴(夢みるアドレセンス)「少しは大人になったのかな?」

荻野可鈴
取材・文●岡田康宏

「夢みるアドレセンス」は、現役及びOGの「ピチレモン」モデルを中心に「国民的ハイパー女優」を育てることを目指して結成されたガールズユニットだ。昨年8月に第1回公演を行い、今年に入ってから定期公演が毎回前売りで完売となるなど、着実にファン層を広げつつある。

 6月の定期公演でメンバーの一人、岡美咲がグループを卒業し5人組となったが、歌やダンスだけではなく即興芝居や朗読などが織り交ぜられた独特の世界観と、リーダーの荻野可鈴や、同世代のカリスマである志田友美を筆頭に強力なタレントを擁する、今後に大きな期待ができるアイドルグループだ。

 今年、夢アドはアイドルの祭典「TOKYO IDOL FESTIVAL 2013」(7/27、28)に初出場する。これから、こうした対外試合の機会が増えることで彼女たちはより多くの人たちに見つかっていくことだろう。今回はそんな夢アドメンバーの中から、リーダーの荻野可鈴さんに話を聞いた。


――まずは簡単な自己紹介をよろしいですか?

荻野可鈴 高校3年生、17歳、山梨県出身、荻野可鈴です。「夢みるアドレセンス」のリーダーです。中1から高1までピチレモンのモデルをやっていました。最近は夢アドのほかに主に演技のほうで、舞台だったり映像だったりをやらせてもらっています。

――ずっとモデルとして活動してきた荻野さんが、アイドルとして活動し始めたのはいつからでしょう?

荻野可鈴 夢アドは去年の8月が初公演です。一番最初はグループを組んで活動するというのが初めてのことだったので、戸惑いもあったんですけど、やっていくうちにメンバーの仲も良くなって、団結力が出来たなって思います。最初は団結力がなかったってわけじゃないんですけど、一人ひとりが頑張っている感じだったんです。でも今は1年間かけて「夢アド」という一つのグループになりました。

――夢アドのメンバーは、モデルの頃から知っているメンバーですよね。

荻野可鈴 志田友美と私は中1の頃から知っていて、もう5年くらい一緒に仕事をしています。ほかのメンバーとも3年は一緒にやっています。事務所も一緒だし、やっていた雑誌も一緒だったので、夢アドになってから、その関係が大きく変わったわけではないんです。けど、雑誌の撮影は多くても月に4回とか5回なので、限られた時にしか会わなかったし、それが夢アドの稽古が始まったら1ヶ月とか一緒にいるじゃないですか。だから、そのときより仲良しにはなりますよね。

最初は、思ったことがあってもなかなか言えなかったんですよ。すごい一緒にいた友達でもないし、仕事仲間だけど、月に何回かしか合わないわけだし。だから何かあっても内に貯めていたんですけど、最近は全然そんなこともなく、言いたいこともズバズバ言えるようになりました。それは、なにかきっかけがあったわけではなくて、ちゃんと、この夢アドで頑張ろうって思うようになってから、言い合えるようになりましたね。今は、ただの仲良しという感じではなくて、ちゃんと悪いことは悪いって言える「仲間」になりました。

――そう思ったのはいつ頃でしょう?

荻野可鈴 一番最初に思ったのは、初めての公演が終わったときで。終わった後に、すごい達成感があったんですよ。ああ、達成感ってこういうものなのかって思って。それから、ちょっと頑張ってみようかなって思って。それから、いつだったか、初めて対バンのイベントに出たことがあったんです。そうするといつもの定期公演とは雰囲気が違うじゃないですか。いろいろなグループのファンの人がいて、その中でやって、そうしたらすごい盛り上がって、「ああっ、楽しい!!」って。みんなも同じ気持だったと思うんですよ。それが刺激になりました。

荻野可鈴

――今も個人の仕事もあるわけですけど、一人で仕事をするときとグループで仕事をするときで違いはありますか?

荻野可鈴 普段、自分一人の現場だと、一人で頑張らなきゃいけないじゃないですか。共演者の方とも仲は良いけれど、自分は自分だなって思っていて。でもみんなと一緒のときは、私一人が「10」あったら「10」やらなきゃいけないわけじゃないから。頼れるところは頼れるから、だからみんなが一緒にいると安心します。一人で仕事しているときも、ここにメンバーが一緒にいてくれたらいいのになって思うことはあります。

最初は一人が好きだったんですよ。今も、リーダーだからこうしなきゃいけないみたいな強い気持ちはないんですけど、まとめるときはまとめないといけないなと思うようにはなりました。全部を厳しくするんじゃなくて、ちゃんとやってほしいところはちゃんとやってもらうし、でも緩くてもいいところは緩い感じでやってもらっていいと思うし、そのオンオフの切替を私が一番最初にやらなきゃいけないなと思っています。メンバーに何かを言うわけじゃなくて、私がやる気だとメンバーもやる気になってくれるし、私がだらけていると、みんなだるい感じになっちゃうんで、だから時間になったら、みんな行くよって感じで、自分が先頭に立って動くようにはなりました。変わったのはそこくらいです。

私は今も結構自由にやらせてもらっていて、ステージ上にいるときは、ちゃんと意識はしますけど、楽屋にいるときは私は私のペースでやるし、みんなもみんなのペースでいるし。ステージに上がったら、そこは合わせるようにはしていますけど、オフの部分は全然変わっていないです。最初はやっぱり、ちゃんと歌わなくちゃとか、ダンスをしっかりしなきゃとか、自分のことだけで精一杯という感じだったんですけど、最近はわりと、この子がこうしているから私はこうしようとか思ったり、ダンスも自分を見るだけじゃなくて、周りのメンバーも見て、ここはこうだよとか、逆にここはこうなんだって思ったり、自分だけじゃなくて、周りも見て勉強しています。

今でも歌は苦手なので、レコーディングとかになるとすごいテンションが下がるんですよ。それは、イヤだなって意味のテンションが下がるじゃなくて、どうしようって意味のテンションが下がるなんですけど。でも人前で歌ったりダンスすることは嫌いじゃないし楽しいから好きですね。

――歌やダンスに関しては、ここ最近、随分と成長したように感じます。

荻野可鈴 みんなのモチベーションが高くなっているからじゃないですか。最初の頃に比べて、みんなのやる気度が全然違うので。みんなの気持ちが変わったというのが一番大きいんじゃないかなと思います。まずは稽古をちゃんとするようになりました(笑)。どこか間違えたら、間違えただけでなくて、ここどうするのとかお互いに聞き合うようになったし、明日やることの確認やMCの練習なんかもするようになったし。そういうのを見ると、みんなやる気なんだなって。最初の頃は、なんかだるい空気が流れていたけれど、今はそんなことはないです。

――モデルの仕事をしていると直接、お客さんの目の前に立つことはあまりないけれど、ライブではお客さんの反応がダイレクトで返って来ますよね。そういう部分の違いは感じますか?

荻野可鈴 モデルと人前に立って仕事するときでは見せ方が違って、モデルのときは表情がすべてじゃないですか。それしかわからないし、それだけでは性格とかもわからない。だから、表情が命だと思うんですけど、人前に立つときは、一つ一つの行動が良くも悪くも自分の性格として見られてしまうので、一つ一つの行動に気をつけるように。まあ、そんなに気をつけているわけではないですけど、ちょっとは意識しようかなって。

――でもステージでもわりと思い切って自分を出してますよね?

荻野可鈴 そうですね、ギリギリの部分で勝負してますし、結構、丸出しです(笑)。アイドルって、かわいくて、きゃぴきゃぴってイメージじゃないですか。わたしたちは、ギャップがすごいかなって思っていて。歌っているときは、まあアイドルしていると思うんですけど、喋り出したら、あれっ、様子がおかしいぞって(笑)。それが夢アドなのかなと。誰もが思うアイドルの理想像ってあるじゃないですか。それとはかけ離れている感じですよね。みんな、好き勝手なことを話しているし、ステージとかでも決まっているところは決まっているんですけど、好き勝手なところは、すごく好き勝手だし、歌やダンスとかは、ちゃんとやっていて、でも、MCになったら、あれちょっと違うなと。そのギャップが夢アドらしいんじゃないかなと思っています。

荻野可鈴

――では、そんな夢アドのメンバーを荻野さんから紹介してもらっていいですか。まずは志田友美(しだゆうみ)さんから、

荻野可鈴 友美は負けず嫌いだし、結構完璧です。自分が任せられた仕事は完璧にこなそうとする。だから今はMCを任せられているんですけど、いつも直前までMCを練習していて、偉いなっていつも思っています。想像なんですけど、意外と、私がいないときは友美が仕切ってくれているんじゃないかと思います。私がいると私に頼ってくれるところがあるけれど、いないときは友美が仕切ってくれているんじゃないかなと。

――じつはもっとおバカキャラなのかなと思っていました。

荻野可鈴 そこは変わってないです(笑)。おバカはおバカなので。それプラス、任せられたことはちゃんとやると。友美とは一番長いんですけど、自分に任せられたことを頑張るところは昔から変わっていないです。

――つぎは山田朱莉(やまだあかり)さん。

荻野可鈴 朱莉は、すごくうるさいし、声も大きいんですけど、一緒にいると安心します。私はあまり人に甘えたりしないんですけど、朱莉を見ると、思わず抱きつきたくなるんです。近くにいたくなるような存在です。朱莉とは一番深い話をする仲かもしれません。聞き上手なんですよ。私がバーって話すから、それをうんうんって言って聞いてくれるのが朱莉。それで結構、共感してくれるから、それがまた安心するし嬉しいです。だから、私が言いたいことだけ言って、「聞いてくれてありがと」って関係ですね(笑)。朱莉もそれを聞いて「可鈴もホント変わったよね」とか言いながら聞いてくれます。自分では変わったつもりはないんですけど、「変わったね、周りが見れるようになったね」って言ってくれます。

――次は小林玲(こばやしれい)ちゃん。

荻野可鈴 玲はネガティブ(笑)。顔にあまり出ないから、しゃべってないと怒っているように見えるんですよ。機嫌悪いように見えるんです。しゃべると、自分の強い気持ちを持っている子で、やっぱり負けず嫌いだし、ダンスとかもできないと、なんでできないのって自分に苛立ったりしているんですけど、そこで諦めるんじゃなくて、頑張るし。「可鈴ちゃん、ごめんね、一緒にやってくれる」って言って聞きに来てくれて頼ってくれるし、見た目は大人っぽいけれど、妹みたいな感じです。LINEとかでも、よく「遊んで」って言ってくるんですけど、玲の「遊んで」って言うのは「かまって」ってことで。結構、妹ちゃんみたいな感じです。

――最後は京佳さん。

荻野可鈴 京佳は大人。中学二年生じゃないですか。でも、普通に高校生と話しているし、メンバーとの歳の差を感じさせられないんですよ。私は高校3年生で4歳差なので、きっと普通の中学二年生と話をしたら話が合わないと思うんですよ。でも京佳とは合わないなって感じないから、大人なんだなって。ただ、高校生は笑わないけど、中学生は笑うネタみたいなのがあるじゃないですか、そういうのでは、ちゃんと笑っているから、ああ、中学生なんだなって思います(笑)。京佳も小学4年生とかから仕事しているから、もう4年一緒にいるので。ステージ上では私や友美が進めていくから子供に見えるんですけど、2人で話すと大人だなって思います。そのギャップがあるんですよね。

――昔から知っていたメンバーとの接し方も、グループで活動するようになってから変わりましたか?

昔は仕事仲間だから、仲良くなりたいし仲良くしていたいというのがあって、嫌な話ですけど、上辺だけでも仲良くしておこうと思ったり、そんなに深いところまでは関わりたくないけれど、仕事の上では仲良くしておきたい、と思うようなところがあったんですけど、今は、心からみんなのことが大好きだし信頼しているから、友達とはまた違った、メンバー愛で包まれていますね。これがあったから一気に仲良くなったとかじゃなくて、日々一緒にいて、みんな日々成長していて、その中で性格とかも変わっていくじゃないですか。それで自然と、仲良くなっていった感じですかね。ずっと一緒にいるから、自然と。

みんなのことをもっと知りたいし、みんなもっとこれから思春期なので成長していくと思うので、それを一番身近で感じられるのが私だと思うんですよ。メンバーの中で私が最年長だし、一番最初に大人になるので。これから、みんなの成長を見れるんだろうなって、一人でお母さんのような気持ちになってます(笑)。

私自身が変わったなと思うのは、自分の意見だけを押し付けなくなったところ。「こうだから、こうでしょ」みたいな感じじゃなくて、「こうだと思うんだけど、みんなはどう?」って、みんなの意見を聞いて、「こうなんだね、じゃあこうしよう」って。人の意見も聞くようになりました。だから、少しは大人になったのかな?

――では最後に夢アドとしての目標、個人としての目標はありますか?

荻野可鈴 夢アドは仲も良くてすごい成長もしていっていると思うんですけど、それだけで満足するんじゃなくて、これからもみんなと一緒に上に向かっていけるグループになりたいし、上に向かっていく気持ちが強いグループでありたいなと思いますね。

みんなのこと大好きだから、この大好きをもっと広げられたらいいなって。ダンスして歌を唄ったりするのも初めてのことだから、まだ知らない世界もたくさんあると思うし、これからその知らない世界も知りたいなと。みんなと一緒に上に向かっていく気持ちを継続できたら、自然といろいろな結果とかもついてくるんじゃないかなって。だから、結果が目標じゃなくて、その気持を忘れないで頑張れたらいいかなって思います。

自分自身としては、目標とか立てても忘れちゃうから(笑)。でも感謝する気持は忘れちゃいけないと思うから、当たり前のことを当たり前にするんじゃなくて、感謝できる人間になれたらいいなと思います。仕事のスタッフさんとかに感謝するのももちろんだけど、家族とかお母さんとかに感謝できる優しい人間になりたいです。

――仕事に関して、あまり目標を立てたりはしないんですね。

荻野可鈴 私は凡人なので。日々の努力が大事です。感謝とかの積み重ねが大事です。そういう人間です。日々頑張っているからお仕事とかでも結果がついてくると思っているので、一つ一つ大事に、自分の役割ができたらいいかなって、そう思っています。

夢みるアドレセンス公式ウェブサイト
http://yumeado.com/

荻野可鈴オフィシャルブログ「かりんBlog」
http://ameblo.jp/ogino-karinn/

荻野可鈴 (karin_ogino) on Twitter

https://twitter.com/karin_ogino